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テーマ:英語でどういうの?(4)
カテゴリ:街・建物
最近、街中の案内サインには、
和文・アルファベット表記に加えて 簡体字・ハングルも併記され 4言語表示が主流になってきました。 中国や韓国からの観光客も徐々に増えており、 望ましい流れだと思います。 和文(厳密に言うと、漢字と仮名で既に2言語に分類されますが)に アルファベットの2言語表記はずいぶん前から、 おそらくは1964年の東京オリンピックや1970年の大阪万博あたりから 一般的になっていたようです。 鉄道の駅名票や、 道路標識の案内サイン・交差点名・施設名称等では、 和文・アルファベット併記はもはや一般的。 どうだ、これでほぼ万国からの来日者にとっても 明快でわかりやすいだろう!? と言わんばかり。 でも僕は大いに不満です。 地名ならいざ知らず、いわゆるランドマーク的な名称には、 きちんとした英訳を当てるべきだと思うのです。 ようやく羽田空港駅や成田空港駅の駅名票には、 「Haneda Airport」「Narita Airport」と 表記されるようになりましたが、 以前は「Haneda Kuko」「Narita Kuko」と、 日本語そのまんまの読み方が表記されていました。 これだと海外からの来日客にとっては 「Kuko」を「クーコー」と読むことができても、 「クーコー」が「Airport」を指す言葉とは にわかには理解できません。 国際空港に併設されている鉄道駅は、 さすがに「Kuko」はまずい、と言うことになったのでしょう、 いつしか「空港」を「Airport」と表記するようになったのは 好ましいことです。 しかし街中を見渡してみると、 このランドマーク的な名称のアルファベット表記が 未だに日本語読みをアルファベットにしたケースがあまりにも多い。 たとえば大阪の地下鉄に「動物園前」という駅があります。 市立の天王寺動物園への最寄り駅であることから この名があるわけですが、 この駅のアルファベット表記は「Dobutsuen mae」。 まんま日本語読みです。 海外の人がこれを読んで「動物園の最寄り駅」とは決して思わないでしょう。 アルファベット表記はきちんと英訳して「Zoo park」とすべきです。 わが西武線にもそういう意味で痛い駅があります。 所沢市内にある「航空公園」駅がそれ。 日本で最初に作られた飛行場のあった場所。 かなり以前に廃港となり、往時の滑走路は行政機関が建ち並んだり、 記念公園になっていたりします。 その公園の最寄り駅と言うことで名付けられた「航空公園」駅。 アルファベットはやはり日本語の読み方そのままを表記しています。 「コーエン」と読んで果たして「Park」と想像つきますかね? 決してつきませんよね。 この駅名のアルファベット表記は、 「Memorial Park of Airbase」としてはいかがか? 池袋線の「石神井公園」もそうですね。 ここも「Park of Shakujii」が望ましい。 ただし、元々はランドマークが発端ではあるものの、 今となっては周辺の地名に転化している場合は、 そのままの読みで良いのでしょうね。 たとえば都営地下鉄の「大門」駅。 これは江戸幕府・徳川家の菩提寺である増上寺の山門を指しており、 英訳名を表記するならば 「Main Gate of Zojyoji temple」となるところですが、 周辺は「芝大門」という地名になっていますので、 これは素直に「Daimon」と読み方を そのままアルファベット化するのがよろしい。 観光庁が発足して久しく、 これから日本も海外からの観光客をたくさん招きたいのであれば、 もう少し彼らの立場にたって案内サインを整備すべきです。
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