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テーマ:結婚指輪♪(9)
カテゴリ:家族・家庭・交友関係
先日、新しいテレビ台がわが家に来ましたが、
納入直前に古いテレビ台を移動させようと、 テレビ台の中にあるものを取り出していたときのこと。 隅っこの、少し窪んだところに小さなポーチがありました。 ふだん目が届く場所ではないので、 ついぞそこにポーチがあることなんて忘れていました。 --中に何か入っているのかなぁ…? と思いつつ、ファスナーを開けてみると、 そこにヨメさんのマリッジリングがコロンと転がっていました。 --ああっ! ここにあったんだ! しばし手のひらに乗せて、凝視している自分がいました。 彼女が入院直前まで働いていたパート先は、 自動車メーカー・本田技研の下請け倉庫でして、 そこで自動車やバイクの小さな部品を 袋詰めする作業をしていました。 で、指に装飾品を付けていると、 部品を入れるビニル袋に穴が空いたり、 傷が入ったりすることがあるため、 作業中は指輪をはずすことになっているんですね。 最初の頃は作業前に指輪をはずし、 作業後に指輪をはめ直す、ということをやっていたようですが、 そのうち面倒になったのか、常時はずしたままの状態が ここ何年か続いていました。 で、そのはずしたマリッジリングを いったいどこに保管しているのか、 ついぞ聞き出すことがなかったんです。 告別式も終わってようやく落ち着いた頃に --そういや、彼女のマリッジリング、どこに置いてるのか? と、ふと疑問が出てきたのですが、 本人は逝ってしまっているわけですし、 狭い家ながらも、隠そうと思えば 至るところにそういうポイントがありますので、 探す気にもなれず、 気にはなりながらも結局そのままだったのです。 で、いつしかそういう意識も彼方に遠のいていたところでした。 それが今回、テレビ台を取り替えることで再会するとは。 彼女が自分のマリッジリングを僕に見つけ出させようとして、 テレビ台を新しくする意識を僕に芽生えさせたのかな。 何かしら因縁めいたものを感じます。 僕の分は指からはずして自分の財布に入れているのですが、 彼女の分も同じ財布に同居させました。 これでほぼ常に帯同することになります。 少しでも「一緒にいる」という感覚が味わえることを期待して。
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