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テーマ:家族が癌になって・・・(201)
カテゴリ:家族・家庭・交友関係
ちょうど1年前の2013年9月4日は、
ヨメさんの大腸検査も終わり、 大腸にがんができているという診断結果も出ていて、 主治医となる外科の先生に初めて接見した日でした。 この日、初めてがんが転移した 彼女の肝臓の写真画像を見たのですが……。 思わず息を呑んだことを覚えています。 それくらい、素人目にも明らかに異常が感じられるほど、 グロテスクな画像でした。 その日の日記をここに掲げます。 ------------------------------------------------------------------------ 今日、妻と共に病院に行き、初めて担当医と接見。 大腸の患部画像は、先週見たとおりだったが、 先にCT検査で撮影した肝臓の画像を初めて見る。 「この黒っぽい楕円形の模様がすべて転移した癌です」 と担当医。 愕然とした。 肝臓の至る所に黒っぽい楕円形模様が散りばめられている。 「ご覧のように、数え切れないくらいあります」 担当医は、マウスのホイールをグリグリ動かして、 身体を輪切りにした画像を切り替え表示させつつ、淡々と語る。 「実は、リンパ節にも転移が見られます」 僕の想像以上に、あまりの癌細胞の侵攻の酷さに呆然……。 「この病院で治療されるか、他の病院へ移られるか、 どうしますか?」 そんなことを急に訊ねられても、 こちらは何も持ち合わせる情報がない。 何もアイデアがない、と告げると、 「わかりました。 では、とりあえずウチで治療するということにしましょう。 今後、ご希望があれば、いつでも転院できますから」 「まずは、大腸を一部切除せねばなりません。放っておくと、 腸閉塞になってしまいますから。 で、その後は……転移した方の治療は……」 ここで一瞬、担当医の言葉が止まる。 「広範囲に転移しているので、抗がん剤治療を行いましょう」 癌の進行ステージを聞くのを忘れてしまったが、 担当医が一瞬口をつぐんだことを考えると、相当な進行状態なのか。 診察後、待合所で事務処理を待つ間、数日ぶりに涙で目が潤んだ。 後で調べると、肝臓やリンパ節に転移している場合、 5段階で最も悪いステージIVであることが分かった。 5年後の生存率は僅か10%程度しかない。 今夜、2人の息子に話をする。 僕はありのままを説明するつもりだったが、 妻が機先を制して「あまり深刻ではない」風に説明し始めたので、 それに従う。 いずれ話の内容を軌道修正せねばなるまい。 息子2人は、それぞれ神妙な面もちで聞いていた。 ------------------------------------------------------------------------ 実際には、余命は5年どころか、 この後、2か月弱しか保ちませんしたが、 でも、今でもその余命の短さが納得できるくらい、 グロテスクで決して忘れることのできない画像でした。
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