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テーマ:お通夜・お葬式(20)
カテゴリ:家族・家庭・交友関係
おそらくその時が来たならば、
それは自分の親がみまかった時だろう、 と誰もがそう思うように僕も推測していたのですが、 まさか自分の配偶者のお見送りで 初めて喪主と務めることになろうとは 思ってもいませんでした。 とにかく何から手をつけて良いのか、 さっぱり分からない。 ただでさえ伴侶を失ったショックが大きく、 なかなか事務的な話が頭に入って来ない。 そういうもどかしさを大いに感じました。 ただ、葬儀社は手慣れたもので、 合間合間にお悔やみの言葉や振る舞いを出しながら、 準備のための数々の打ち合わせや段取りを つつがなく進行させていきます。 2013年10月29日、つまり昨年の昨日は納棺式を行いました。 納棺師に死に化粧をしてもらったヨメさんは、 それこそ、単に眠っているだけのような、 生き生きとした表情に生まれ変わりました。 そして昨年の今日、2013年10月30日のお通夜を迎えます。 その時の記録から。 ------------------------- 朝7時頃起床。 家族や父母・弟らと朝食を済ませ、 所用のため11時頃に全員車に乗り込んで自宅を出発。 いつも大阪に帰省したときは、 このシチュエーションに当然ながら妻もいた。 でも、今はいるはずの妻がいない。 なんだかぽっかりと穴が空いたよう。 ホームセンターとスーパーで買い物を済ませて帰宅。 軽く昼食をとった後、夕方からの予定に合わせて早めに入浴。 午後2時過ぎ、葬儀社のスタッフが来訪。祭壇をセット。 遺骨を墓に納骨するまでの間、この祭壇で祀るとのこと。 併せて、葬儀費用の内金を納める。 午後4時半、葬儀社の会館に到着。 すぐに控え室で礼装に着替え、家族はそのまま待機。 僕はお通夜の打ち合わせのため、階下の通夜会場へ降りた。 まずは祭壇の確認。 かなりケチったが、けっこう様になっている。 葬儀社の方で遜色ない景色になるよう配慮してくれたのだろう。 遺影も気に入った。額の中で優しく微笑む姿に思わず涙が出る。 棺の中の妻と、ほぼ1日ぶりに対面。むせび泣く。 その後、事務打ち合わせを行う。 会館側も僕の方も気になっているのは、焼香後に会葬者に出す料理。 今のオーダー内容は、通常だと会葬者が20人程度の規模。 それ以上の人数だと足りなくなる、というのがスタッフの主張。 しかし僕の方は、参列者の大半が家庭の主婦なので、 ガツガツと料理をパクつくことはないのではないか、と主張。 結局、追加注文は見合わせた。後は賭けだ。 そうこうしているうちに、受付のお手伝いということで、 妻と仲良くしていたママ友たちが来館。 一緒にスタッフからの説明を受ける。 お寺の僧侶が到着したので、控え室にて対面。 しばし面談の後、お布施を納める。 会場に戻ると、ken父さん夫妻が来館していた。 祭壇の遺影を見た奥さんが、むせび泣いていた。 開式の10分前になると、三々五々、参列者が集まり出す。 cheetahさん&千秋さん夫妻も来てくれた。 ママ友たちやパート先の職場の同僚も10数人集まる。 皆を案内して、棺の中の妻と対面、涙を誘っていた。 中には号泣する人も。 無理もない。2か月前まではピンピンしていたのだから。 午後6時、僧侶が式場に入場し開式。 読経が始まって5分後、喪主の僕から焼香が始まる。 親族は合計6人なのですぐに終わり、続いて会葬者による焼香。 何気なく顔を上げると、僕の会社の監査役の顔が見えた。 その後も後輩や飲み仲間も。 会社の総務には「妻が『こじんまりとして欲しい』、と言ってたので、 会社関係の会葬は気持ちだけいただく」と言ってたのになんたること。 焼香後の料理が足りなくなるではないか。 その後も、焼香の列が止まらない。 喪主の僕がキョロキョロするわけにはいかないので、 午後6時前から後方の様子が全然分からなかった。 いつまで続くのか。 「こじんまり」と願っていた妻のシナリオ通りに事が運んでいない。 午後6時40分頃、ようやく焼香の列が途切れる。 後で聞いたところでは、結局50名超の会葬者数だったそうだ。 想定の20人の実に倍以上。 これから家族の食事タイムだが、料理はもぬけの殻を想像する。 ところが、司会役のスタッフが近寄って意外な言葉。 「皆様、お飲み物は召し上がっておられますが、 ご主人のご想像通り、お食事にはどなたも手をつけておられません。 ですので、ご家族やお手伝いの皆様分の料理は、十分残っております」 ホッとした。と同時に、皆さんの気遣いに感謝。 午後7時頃には、 お手伝いいただいたママ友たちやその家族も招き入れて、 簡単な打ち上げとなった。 母とママ友たちがかなり打ち解けて、笑い声まで出る始末。 妻は、母にはママ友たちのこと、 ママ友たちには僕の母のことをしょっちゅう語っていたらしい。 なので、初めて会ったのに話がすぐに繋がったとか。 こんなことってあるんだろうか。 こういう裏表のない人たったんだなぁ、と改めて感じ入る。 時間いっぱいの午後8時半まで、 たっぷり妻の思い出を語るひと時を過ごした。 ------------------------- 今までお通夜やお葬式といったものは、 会葬者としてお参りする側であったり、 親戚の1人として関係者の中に混じる、 という経験しかなかったので、 いろんな打ち合わせ内容やら いろんな判断を必要とすることやらで、 とても勉強になりました。 子どもたちにとっても、 悲しいシーンではあったものの、 貴重な体験になったことだと思います。
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