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テーマ:心に残る言葉(21)
カテゴリ:家族・家庭・交友関係
昨年12月27日に他界した父。
病気が発覚するまで、 喜寿を迎える年齢であるにもかかわらず、 嘱託として元の職場に毎日勤務していました。 しかし、時おり疲れた表情を見せてもいたようで、 母親はその都度、リタイヤを考えたほうが良い、 身体の精密検査を受けたほうが良い、 と忠告していたようです。 しかし、頑固でおそらく面倒くさがり屋の父のこと。 「そのうち、そのうち」という思いだけで、 母親の忠告をスルーしているうちに、 末期のがんが見つかる、という経過をたどりました。 そんなわけで、亡くなる1週間前に再入院してからというもの、 忠告に対する不義理をずっと謝り続けていたらしく、挙句に 「自分は、母さんの言うことを聞かなかったから、 死んだら地獄に落ちる」 とまで言っていたんだそうです。 告別式も終わり、慌しさが一段落した昨年末から年越しにかけ、 母親が涙ながらに何度となくそのことを語るので、僕は 「あの世に地獄も天国もない。あるのは『あの世』だけ。 それを地獄と思うか天国と思うかは、亡くなった本人次第だ」 という持論を展開し、決して父は地獄になんか落ちていない、 と諭したことです。 2月1日の日曜日、 いつものように早朝坐禅会に参加。 坐禅後の茶話会の席で、念のため、と思い 住職に尋ねてみました。 「あの世に地獄っていうのは本当にあるのか?」と。 すると住職は「その問いかけ待ってました」と言わんばかりに、 とうとうと諭してくれました。 そして、その内容を聞いていくうちに 僕の持論が概ね合っていたのでホッとしました。 「あなたのお父さんは、本心から『地獄へ落ちる』 と言ったのではない。 お母さんの忠告を聞かなかった反省の思いから その言葉が出てるんだと思いますよ」 なるほど。得心しました。 四十九日のときに、母親に伝えようと思います。
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