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カテゴリ:旅日記
私が大阪リピーターになったのは主に「食」を通じて毎回新しい発見があるから。
…と書いてしまうと関西の方ならタイトルの意味が「ああ、そういうことか」と わかってしまうかもしれませんね。(書かなくてもわかるか) しかし私は東北生まれの東北育ち。 関西、というか西日本では当たり前の事でもとても新鮮に感じることが多いのです。 大阪で必ず食べるものはたこ焼きやお好み焼きなどの「粉もん」に551蓬莱の豚まん、 そして何といっても東日本では絶対お目にかかれない澄んだお出汁のうどん。 今回は老舗の「道頓堀今井」さんで基本のきつねうどんと 常連さんにファンが多いらしい焼豚うどんをいただきました。 私がオーダーしたきつねうどんは「季節のご飯」の栗ご飯とのセットメニュー、 主人は焼豚うどんに笹巻ずしを追加で注文。 甘めに煮つけたふっくらお揚げを頬張ると「ああ大阪来た~」と思います。 これ、東日本だと半分の厚さのお揚げが1枚しか入ってませんから。 かつおが出しゃばらない昆布の旨味の効いたお出汁は最後の一滴まで飲み干せそう。 そして栗ご飯がまた美味しかった。 今まで食べたことのある栗ご飯は栗がことごとく「甘露煮」だったんです。 ここのお店のは「今日採ってきた栗をそのまま使いました」って感じで 栗本来のほのかな甘みだけでホクホクの食感。 秋を感じるまさに「季節のご飯」の名にふさわしい逸品です。 焼豚うどんも一口味見しましたがおろし生姜たっぷりでとっても体が温まる感じ。 これは寒い季節にまた来たら絶対食べたいと思いました。 脂が甘く臭みのない焼豚に主人も大喜び。汁もほとんど飲み干してました。 ああいけない、「かちん」の話が置いてきぼりでした。 お店に入る前から何を注文するかほとんど決めてたわけですが 他にどんなものが置いてあるのかなとお品書きを見て見慣れないメニューに「?」となったんです。 「かちん入りうどん」。 「かちんって何だろう。聞いたことある?」「いや、ない」と 私たちは初めて見る言葉に一瞬きつねも焼豚も忘れてクエスチョンマークだらけに。 店員さんに聞いてみようか、でも注文する気もないのに聞くのも失礼かな…なんて思ってるうちに 近くのテーブルのお客さんの一人がその「かちん」を注文しました。 やった、これで疑問が解決できる!と自分たちの注文も済ませて そのお客さんの方に運ばれてくる料理を自分たちのと同じくらい興味津々で待っていると… 店員さんが「お待たせしました」とテーブルに置いたのは焼いたお餅の入ったうどん。 それはつまり、私たちが「力うどん」と呼んでいるうどんだったのです。 へぇ~こっちではうどんに入れるお餅のことを「かちん」って言うんだ! こういう発見があるから大阪はやめられないのです。 奈良や京都に行くときは名所旧跡目当てですが、それもまた発見の連続で面白いのですが 大阪といえば優先順位の第一位は「食」になります。 そして「食」ほどその地域の生活や文化を直に感じられるものもない。 最近ではテレビやネットなど全国各地の様々な情報を得る手段がありますが やはり実際に現地に行かないと体験できないことがたくさんあります。 うどん屋に入っただけでこんなサプライズが待ってるなんて楽しい。 羽田で死にそうになりながら飛行機乗りついで行った甲斐があるというものです。 ちなみに私、力うどんは大の苦手なので(雑煮もダメ。餅は餡子か砂糖醤油で食べるもの) 残念ですが「かちん入りうどん」を注文することはないでしょう。 主人はわかりませんが。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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