|
カテゴリ:命の尊厳
2021年1月6日午前5時25分、フランス国民議会では衛生パスからパスポートワクチンへの移行を巡る三日間の討議の末に、賛成票が214票、反対票が93票という結果を出しました。
この後、元老院(上院議会)で再び審議されます。 元老院はぱすわくを支持する党が多数なので、可決されたも同様なのだそうです。 可決ということになれは、2021年1月15日かその数日後から陰性証明書の効果はなくなります。 一応、2022年7月31日までの期間という話ですが。信じられます? そもそもこの衛生パスだって、2021年11月頃までと言われていたのです。 賛成派の大多数が 共和党 社会党 反対派の多くが、 France Insoumise「不服従のフランスの党」(極左翼系)や共産党、 国民連合 Rassemblement National 共和国前進党の反体制派3名 3 dissidents de La République En Marche この件が国民議会で討議された翌日に、ま繰ろん氏が発した言葉にフランス国民の60%近くの人々がショックを受けました。日本でも記事になっていましたが。 接種を拒否する者をとことん目茶追い詰めてやりたいワ発言です。 何となく、いじめっ子の発想に似ていなくもなく。 使った動詞が直訳しちゃうと、「くそまみれにしてやる」。 書きたくない動詞だし、日常生活でも自分はできる限り避けたい。 ま、夫のジョークが過ぎると、いい加減にして、と言いたい時に反抗期の少年みたいに放つ時の動詞として使うこともあるけれど、ほんと、日本語で「くそ」「ちくしょう」を言ったことがないので、たぶん、フランス人より免疫はない、と思う。テレビの明るい番組でコメンテーターが使うことはよくあるかな。 ただ、この自粛から始まり、衛生パスの適用で特に10月中旬以降、有料の陰性証明書か接種済みでないと、自由に美術館、博物館、カフェ、レストラン、コンサート、大型スーパーに行く資格がないというおかしな状況下で、深刻に経済的に追い込まれた人々もいる。じゃあ、接種すればいいじゃない、という軽い言葉がそれこそ無責任に響く。何より、孤独な状況を作り出した。 いつもは明るい南仏の友人でさえ、深刻な表情でコロ枠が義務になったら怖い、と呟いていた。 ふらんすげんだいとうりょう、昔の別の場面でも、よく考えてみると不思議な発言をしていた。 「世の中には成功している人と何者でもない人がいる」 フランス語で、Ils ne sont rien. うっかり聞き逃してしまいそうだが、 たとえば、T'es rien. 「きみは無だ、何者でもない」なんて言われて気分が落ち込んでいれば、ああ、やっぱり、自分は何の価値もない人間だ、とますます落ち込んでいくだろう発言である。 「そうでない人」と日本語で訳してしまうとわからなくなるし、いくら何でも、大統領の発言の中に、「何の価値もない人々」という訳を持ってくると、すごく都合が悪い。 そういう感覚で生きている人だったのか、と。激しくがっかり。雄弁で若いから、期待はあったのになあ。何やら一途なイメージもあったし。 が、ユーチューブでは、とくにこのパスコロワクに反対する派の政治家たち、弁護士たちも、大統領としてあるまじき発言と大ショックを受け、反論している。 ところが案の定、大手のテレビ番組では、あら、だって、当然でしょ、無責任でしょ、非接種者、というコメンテーター。まさに無敵なポーカーフェイス。治験ワクって知ってて言ってるの?二度の接種をしても感染する人たちがいるのに、知らないふりしてるの? LCIというテレビ番組では、ワク拒否のために降板された弁護士もいたり、 接種を拒否して開業医の女医さんもクリニックを閉じた。 地元では医者不足。解雇あるいは辞職に追い込まれた看護婦たち。 実は彼のこの一言ですでに6万6千人が接種に踏み切ったとかで、効果大であった。と、いう報道のコメント欄には、「ほんとうに言いなりの羊たちだ」と皮肉る言葉も残されていた。 これにも気をよくしたのか、大統領、さっそく会見を開いて、いつもの穏やかな優しい良く通る声で、だって、節酒しない人たちがいけないんでしょ。医者も看護にあたる人たちもどんなに大変かわからないの?カメラは彼のいう一言一言を素直に聞いている人を映しています。 これに対して、ある看護婦さんは「大統領、私たち看護婦の立場に立ったような言い方はやめてちょうだい」と叫んでいた。 一方では昔の大女優で動物愛護運動者のブリジット・バルドーさん87歳は、「私はしませんよ。体調もいいのに、何故」 1月6日の大統領の動画のコメント欄には、こんな一つの意見が残されていた。 看護従事者と医者のみなさんにブラボー。いや、こんなふうに看護の人たちへのねぎらいのお言葉が今までなかったからね。(実際は接種を拒否して解雇された医療従事者もいらっしゃるので)幸い、この職業は何人かの看護人だけの話ではないからね。看護婦の僕の母は、(大統領の)こういう考え方はおろか、これらの言葉を口には決してしないだろうね。気分が悪くなります。C'est écoeurant. 僕はトゥールーズで薬局に勤務しているけど、今のところ、一日に千人以上の客が来るんだよ、このパンデミックのが始まる前は600人くらいだった。この一年で、病院のサービスにかかるより多い人数の病気に見舞われた人たちに出遭ってきた。 僕らは研修生を除くと、12人で編成されているが、接種した人、しない人を分けて考えるような思考や振る舞いは誰一人としていない。 愚痴をこぼす代わりにこの茶番劇をおやめになったほうがいい。もちろん長期間に渡って困難な状況下で動いてきたことはお察しはするが、(非接種者と言う名の)犯罪者を見つけるようなことや大袈裟に語るのはやめてください。 僕らは月に48時間から50時間の残業をし、僕は病院で働いたりもしたが、コーヒーを飲むくらいの時間はあった。大統領は心を変えるか、職業を変えたほうがいいです。 接種をしない人々に責任など全くありません。これは言っておきますが、僕自身は二度接種をすませ、4月4日に三度目を受けます。僕はこのコメントの最後に、大統領が語るところの看護従事者たちの話だけをしました。彼が真実を語っていると言うなら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 8, 2022 02:03:37 AM
コメント(0) | コメントを書く
[命の尊厳] カテゴリの最新記事
|