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イギリスの大衆紙Sunに、フセイン元大統領の拘留所での姿を写した写真が掲載された。下着姿のものや、靴下を洗っているもの、眠っている姿など・・・。この行為が問題になっているのは、捕虜の取り扱いに関するジュネーブ協定に違反する可能性があるためで、アメリカは調査に乗り出した。このアメリカの対応は、つい先ごろ話題になったコーラン冒涜事件(ニューズウィークは記事を撤回）や、アブグレイブ刑務所での米軍による虐待事件によって、既にムスリムを刺激しており、今回のことで更に悪化することを恐れてのことだと思われる。ちなみに、フセイン元大統領の写真を掲載したのはSunだけではない。アメリカのNew York Postも掲載している。しかし日本の新聞(毎日・朝日）では英紙だけを取り上げている。

毎日新聞などによれば、ブッシュ大統領は徹底調査を支持しているという。しかし２１日のWPに掲載されたブッシュの発言によれば、ブッシュは写真そのものがムスリムに影響を与えるとは思っていない。ムスリムはイスラム教観念に影響されているに過ぎないという。確かに普通の格好をした元フセイン大統領の写真であれば影響はなかったかもしれないが、今回の写真には下着姿の写真が含まれている。ムスリムにとって裸姿やそれに準じたものを見せることは侮辱を意味することを考えれば、今回の写真がどれほどの意味を持つかは分かっているはず。徹底調査を支持しながらも、この発言はいかがなものだろうか。

神聖化されたフセイン像を壊すために出せれたという今回の写真。しかし逆効果であることは明らかだ。大統領夫人がアメリカのイメージアップのために中東を訪問し、「米国人はすべての宗教に対して寛大」と訴えているが（読売新聞）、今回のことで、信用性はなくなるかもしれない。