テーマ:シナリオを読む人(51)
カテゴリ:シナリオ
黒澤作品では一番おもしろい作品。
いっぽう何か調子よすぎるところもあるから、 批判的な人もあったかも知れない。 シナリオも登場人物がてんてんとして、 少々よみづらい。わかりにくいところもある。 主人公・三十郎が何んでもあり―で、 第一サムライらしくない。身元不明だ。 やたら人を斬る。それに簡単な|裏切り|行為だ。 この三十郎の原型は映画「七人の侍」のあれ― かも知れない。私の頭のなかには― それらしい典型的な人物像があって、 伊藤雄之助の|家老|その奥方の― 入江たか子のおっとりした性格など、 黒澤は私のイメージをみんなハズしている。 劇中の仲代達矢も加山雄三ら若手たちも驚いている。 ここのところの―アホらしさが、 この映画のねらいだったかもしれない。 シナリオには|小国英雄|という 娯楽派の大家がいる。それを|菊島隆三|が 骨太に組み立てていく、それはまるで― |とても書けない|三船仲代の対決シーンで 爆発させていったようだ。 なんだかんだ云っても 実は私は―この作品が好きです。 シナリオ掲載誌●全集|黒澤明・第五巻|岩波書店 ―――――――――――――――――――――――――――― お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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