カテゴリ:ひとりごと
お部屋の電気を真っ暗にして、横になってみる。 今、見たばかりの映画のラストシーンがよみがえってきて、 なんだか、泣けて来た。 孤独な人生だったと、はたと気づいたジャックニコルソン演じる 定年退職男の、最後のシーンで男泣きに、大泣きするシーン。 そのシーンを思いだしてるとき、 今まで出会ってきたいろんな友人達の顔が浮かんだ。 トルコでであった、ドイツ育ちのヌーラン。 彼女については、私はいらぬ妄想で ものすっごいやきもちを焼いてたんだった。 とても、きゃしゃな体つきで、トルコの中でもめだっての美人だったし、 3カ国語をあやつれる才女だったし、 敬虔なイスラーム信仰者だった。 キレイにきっちりとスカーフをあしらい、 澄んだ瞳をもった、清楚な人だった。 わたしがすごく心配していたのは、 トルコの彼(元です)のご両親が彼女のことをとても気にいったらしく、 何かにつけては呼び出して食事を一緒にすることになったり、 いつもトルコ語でなにやら長話をしてたから。 女っていうのは、ささいなことで、すぐやきもちを焼くもので、 ほんとうにあの時は、なんだか取り残されたような気分だったのだ。 皆で小さなバン型の乗用車に乗り合って、 遠くのモスクに参拝に出かけたりしていた。 彼女は英語も達者で、とてもフレンドリーで よくいろいろな話題を提供してくれていた。 バンの中で、スーフィミュージックを大音量でかけながら スーフィー太鼓でリズムをとり歌を歌いながら旅をした。 彼女はひときわ澄んだキレイな声で、 美しいスーフィーミュージックを高らかにうたってくれた。 あの時の 彼女の恍惚とした、 清々とした、美しい顔が たまによく、目の前にあらわれたりするの。 ラ~ラ~ラララ~♪ モハンメッド スッルラ~♪ ア レイクン スルッラ~♪ なんて、さわやかに神々しい顔をしてうたうんだろ、 彼女の瞳は緑がかったうす茶色をしていて、 なんてうつくしく、 あの時の、あの顔が今でもわすれられない。 今ではトルコを思いだすとき、 ”彼”のことではなく、彼女の顔がまず目にうかぶ。 ヌーラン。 わたしは、あの時はほんとうに嫉妬の中にいて うちとけない、感じを与えていたかもしれないな。 グループが終わったとたんに、彼女はすぐさまどこかへ旅にでてしまった。 別れの朝は突然やってきて、 鉄砲玉のようにして、ゲストハウスを飛び出していったヌーラン。 わたしをみかけるや否や、顔中キス攻めにして、 「ルバーィィ、あなたの元に平安を」 と叫んで飛んで行った。(笑 時間がないのォーとか言いながら(笑 彼女が去ったあと、 なにやら、安堵の気持ちもあったけど、 ふかーく反省するところも多くあったんだと、気がつかされた。 なんでもないことでも、自分の劣等感と、それを正当化するための 嫉妬という隠れ蓑。 彼女が肩が張ってしょうがないというので、 一度、肩の辺りをマッサージした事があった。 少し触っただけでも驚くほどかちこちに凝り固まっていて、 大変な緊張を抱えてるんだな、と言うことも知った。 トルコにおいて、女性達の緊張って、自分が思ってるより多いのかな、 なんて思った。 雨がしっとりふってる、こんな夜には ふと思いだす。 こんなことや、あんなこと。 哀しいことがあったり、過去のトラウマに触れたりすると、 なぜだかわからないけど、ヌーランのことを思いだす。 また、会えるかな。 トルコで。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Oct 18, 2005 12:31:19 AM
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