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2005年11月07日
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カテゴリ:IT活用
久々にちょっとJFW in 東京(ジャパンファッションウィーク・イン・東京)の話題から離れます。

先月からまたぞろ、アメリカのネット検索最大手企業、Googleの「電子図書館」がらみの話題が再燃してきた。先月、アメリカの出版大手5社が、Googleを著作権侵害で提訴、今月に入ってからは、Googleは一度中断していた書籍のスキャン作業を再開することを発表、続いて、著作権で保護されていない書籍の「電子図書館」での公開を始めた。

これに対抗し、アメリカのネット通販大手企業のamazon(アマゾン)が、書籍の中身を電子化し、1ページ単位からのネット販売を来年開始すると発表するなど、競合企業の新規事業も活発化してきている。

昨今の一連の報道を見て、次のようなことを感じている。

まずは、私もかつては駄文を書き散らして微々たる収入を得ることを生業としていたので、Googleさんの「電子図書館」事業に対して、作家の先生方や出版社さんがナーバスになるのは非常によく理解できる。苦労して書いた著作物からそれなりの報酬が得られなければ、プロの文筆家というビジネスは成り立たなくなると思うので。

次に、Googleの「電子図書館」や、amazonの「アマゾン・ページ」(書籍のページばら売り)の普及は、書籍の新規需要を増やすのであろうか?

最近の音楽業界の動向を見てもわかるが、価格が下がり(あるいはゼロになり)、バンドル売りしていたものがバラ売りされることで、新しい需要が生まれる側面もあると思う。

ただ、その一方で、「活字離れが進むのではないか」という識者の指摘も、恐らく当たってくるのでは、というのが私の考えだ。

だって皆さん、ご経験がある方は卒論を書いた時のことを思い出してみて下さいよ?ウン十年前に学校を卒業された方ならば、不肖無精分厚い専門書を何冊か買うか、それがいやなら図書館で一部分をコピーしたりして何とかこなした、というご経験をお持ちかもしれない。が、昨今の学生さんは、ネットからのコピペ(コピーアンドペースト)でサクサクッと仕上げてしまっているらしい、という話を聞いたことがある。「電子図書館」や「アマゾン・ページ」が充実すれば、益々そういうお手軽読書、お手軽勉強法が蔓延することは目に見えているような気がしてならないのだ。

第3に、特にGoogleに関しては、「電子図書館」に限らず、種々の事業の領域の広さと展開のスケールの大きさが並外れているため、結果的に全世界の人々のプライバシー情報を幅広く収集しており、そこが悪意ある者によってもし侵害、攻撃された場合のリスクが非常に大きい、という点も私は気になっている。

しかし、話は戻るが、ネットで検索してみると歴然と感じるのだが、日本国内においては思いの他この問題への関心はまだ浅い、という気がする。(たまたま、先週の土曜日、うちの会社のIT経営者研修会のために講師として来社して下さっていた株式会社e総研の中村和夫社長とプロセス経営研究所の川内晟宏代表は、昼食をご一緒させて頂いている時にこの話題に触れておられたのでさすがだと思ったが)。

理由は、やはり、英語と日本語の間にある言葉のカベ、これが相当なタイムラグになりそうだ、という安心感なんだろうね。

京都市図書館の東條朝一館長が、この問題について非常に明快なコメントをネット上で発表しておられるので、是非ご覧頂きたい。「日本語はOCR(光学式読取機)でなかなか正確に読み取りにくい」というご指摘は、おっしゃられる通りだろう。英語のようにはスムースには進まないだろうね。

ネットでいろいろな情報に目を通していると、フランスでは、Googleの「電子図書館が英語中心の情報収集に偏っていくのではないか」という懸念を示す声が出ているらしいが、どうやら日本人の多くはそこまでやっきになって日本文化を発信したいという意識も持っていないのかもしれない。日本って、やはりいい意味でも悪い意味でも島国で、文化の輸入は大好きだが輸出への意欲は乏しいのだろう。

あまりこれまで論じられていないことで、気になっていることがある。Googleの「電子図書館」は、text情報をガンガンスキャンしていっているのだろうが、学術書のようなものではなく、挿絵のある文芸書や写真集など、文字ではなく、絵や写真というものの保存についてはどのように考えているのだろうか?

私は、絵や写真については、デジタルアーカイブにしてしまえば済む、という考え方で保存を考えるのは不完全な方法なのではないかという気がしてならない。その点は、テキスタイルの保存と似ていますよ。

例えば、子供向けの優れた絵本を見ればわかることだが、紙の手触りとか、紙に印刷したときの色、そして版の大きさ、文字と絵のレイアウトバランス、等々全てを考慮して作られたものが、デジタル化してしまうとその良さが大幅に逓減してしまうだろう。

写真にしても然り。始めからデジタル時代に応じてネット上で公開することを前提としてデジカメでとった写真ではないのだから。

だから、予算はかかっても、デジタルアーカイブと共に、現物の保存も進めておくことは必要なのではないだろうか。

よく誤解している人がいるが、紙は平面ではなく、立体であり、テクスチャー(触感)と、紙自体の地色が存在する。だから、特に、子供の教育に際しては全てをPCで済ませるのではなく手を使い自分の鼻で紙の匂いを嗅ぐ、ということが感性を研ぎ澄ませるのではないか、というのが私の仮説だ。

私は教育の専門家ではないし、教育について立派なことが語れるような存在ではさらさらないが、専門家の先生方には、この問題については真剣に研究して頂きたいな、という気がしてならない。人類の将来に関わるかもしれないくらいの大問題かも、というのは、大げさかもしれませんが。

それにしても、間違いなく言えることは、私の元同業者の皆様やら、作家の先生、大学の研究者の先生方(理系は良いが、社会科学、人文科学系は厳しいだろう)など、文章を書くことを生業としておられる方々の多くにとっては、ネット時代は価値逓減の時代である、ということである。

音楽、映像と同じく、ネット上で完全に流通可能なtext(文章)の1点単価は下落していくことは目に見えている。

そうなると、ネット時代に負けないスピードで情報の収集、分析と発表を行い、カリスマライターとして活躍できない大半の凡人は、さしあたりどうやって収入源を補うか、という課題に突き当たる訳だが(笑)・・・。

有望なビジネスとして浮上するのが、実はコレ、アパレルなどの物販系なんですよ。何故かと言うと、衣料品にしても、雑貨にしても、ネット販売はできてもモノそのものはネットでは運べない、という不便なシロモノ。不便だからこそ、淘汰もされにくい業種だからである。

アメリカのスター歌手が最近こぞってアパレルや香水などのブランドを立ち上げているのは、iTMSやナップスターなど音楽のネット流通のお陰で新曲のセールスが下がり、それを補うためだという笑えない話があり・・・。

そのうち、日本のフリーエディターや業界紙の記者さん達も、「エディターズブランド」をバンバン立ち上げ始めるかも(笑)。

他にも、大学が収益源として、カレッジファッション、カレッジグッズを本格的に販売し始めるとか、マジでいろいろ出てくるかもしれないっすよ。

やっぱ、物を作ったり売ったり、まっとうな商売をなさっておられる皆さんが、徹頭徹尾強いんです。最近の世の中の動きを見ていると、つくづくそう思いますね。

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最終更新日  2005年11月07日 22時57分52秒


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