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カテゴリ:ニュース解説ー川下(小売業)
今日2本目のエントリです。先に下のエントリからお読み下さい。
しかし、上記の4条件以外に、これからの日本においては、注意深く対処すべき問題がある。 それは、移民や外国人労働者をより多く認めるなど、社会政策の変更がない限り、日本社会がこれから超高齢化社会、人口減少社会に突入する、という問題である。 その際、大きく言って、商業立地は次の3タイプに分類できるのではないか。 1.地方の過疎地で、既に高齢化が徐々に進行し、若年層の都市部への流出も既定事項となっている。 このようなエリアでは、ある意味で地域の住民も粛々と心の準備が進んでおり、意外と大きなパニックや変化は起こらないのではないかと予想される。 こういうエリアでは、1都道府県か、もしくは2都道府県に1つのRSCくらいがあれば十分で、MDもこれまでの地域MDの流れを参考に発展させていけばよいだろう。 2.首都圏、名古屋圏、大阪圏などで、マンションや新興住宅地が最近開発されたか今後開発される地域で、ここにきてもまだ小学校の生徒数が増えているような地域。ファミリー層が多く、人口は増えているかもしくは横ばい、微減。 若い住民の多い地域には、超高齢化社会を迎えてもやはり活気があるだろう。RSCの出店地としてはここは好立地だ。どちらかというと、これまでの時代の従来型のMDが通用しやすい立地だと言える。 3.3大都市圏等で、これから急激にリタイアする層が増えてくる地域。2007年問題に直面し、地域社会にドラスティックな変化が起こると予想されるエリア。 この、3のタイプの商圏が、実は一番対応が難しいエリアではなかろうか。これから大挙して定年退職する団塊の世代のうち、毎日向かうことのできる田んぼや畑を持っている地方在住者ではない人達、これまで都心部でサラリーマンをやっていた人達が、一挙に仕事から解放されて暇になるのである。 彼ら、そして彼らのパートナーである奥さん達が、これからどのようなライフスタイルを過ごすのかは、ちょっとまだ予想しにくい部分がある。 間違いないのは、1日ゆったり過ごすことができる郊外型SCは、彼ら、彼女らにとって、居心地の良い場所にできる可能性は高いということだ。 ただ、問題は、そこで、彼ら、彼女らは、物販、特に衣料品に飛びついてくれるかどうかだ。ひょっとしたら、プラズマTVなどの家電や、少量でも美味しいお惣菜や、孫へのプレゼントなんかの方が、衣料品よりも余程買いたいものかもしれないし。 実は、アパレルさんの郊外型SC向けブランドも、30~40代のファミリー層や、OL向けのものばかりで、リタイアする団塊の世代を狙ったものはまだない。 鍵を握るのは、やはり、シーン、だという気がする。旅行とか、趣味とか、同窓会とか、葬儀や法事とかの、何かしら服を着て出掛けなければならない場。 モールの専門店ゾーンとの差別化を図る上でも、やはりSCの核店舗を成す百貨店さんは、アパレルさんとも協力して、アクティブシニア層向けの衣料品を充実させるべきではないかという気がする。マーケティングリサーチが急がれる分野だろう。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年11月14日 21時57分28秒
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