|
カテゴリ:ニュース解説ー川下(小売業)
皆さ~ん、さくらで~す。昨夜、私のブログの更新を楽しみに待っていて下さった方、ゴメンナサイm(__)m 実は、2つの飲み会(「儲かる会社にするために!中小企業IT経営者研修会」の打ち上げ&昨年工場見学でお世話になった東北のある工場の社長さんを囲む会)をハシゴして、自宅に帰って大急ぎでパソコンを開けエントリしようとしたのだが・・・。
楽天広場のメンテナンスが午後1時から始まってしまったので、そのエントリは、私のPCのメモ帳の中に入ったままです(^^;;; 残念だが、その原稿はボツ、ということで、昨日、一昨日とプライベートに忙殺されていて書けなかったこのネタを。 日本のアマゾンも、本屋さんから総合商店への鞍替えを始めたようだ。17日から「スポーツ」のカテゴリを新設、ネットニュースや新聞の報道によると、日本ではまずは17分野、、600社の10万点の商品の販売を開始したそうである。 この楽天さんは以前からアマゾンのサイトにはリンクは貼れない仕組みになっているようだから(最強最大のライバル、と見ているだろうから、まあ当然であろう)、まだご覧になっておられない方はご自身でアマゾンのサイトを開けて頂きたいのだが・・・。 早速活況を呈している様子がありありと見てとれた。 まずは、日本の大手メーカーの商品がどのくらいアップされているのかを見たのだが、今日の午後8時の時点で、ミズノ166件、アシックス152件、デサント51件であった。 そのうち、デサントさんの検索結果1ページ目の商品が、なんと全部完売になっている。ハーフパンツやスポーツTシャツの類だ。 実は、私自身、最近ネットやリアルの店頭でかなりハーフパンツを探していたので、これが売り切れになっているのが非常によくわかる気がした。ヨガを始めてから、洗い換え用が必要なので何枚か買いたいのだが、秋だからかどこでもロングパンツばかりしか品揃えされていないんだよね。 実際体を動かしていると、私は結構汗かきなのでハーフパンツの方が丁度良いのだが。私と同じく、常時スポーツをやっておられる方で寒がりではない方が、「この際だから買っとこう」と思ってバンバン発注されたんでしょうね。それと、初期在庫の量が少なすぎた、ということの両面があるのだろうが、さすがにアマゾンさんですよ。既に知名度もあり、書店業で構築したアクティブユーザー500万人という顧客の層が厚い。 予想していたことだが、外資系の有名ブランドの品揃えは、日本のブランドよりもっと多かった。ナイキ1,785件、アディダス1,697件、プーマ425件である。 アマゾンでこれまでに本を購入したことがある人には、ログインすればお勧めのスポーツ関連の商品の情報のページが用意されている。女性向けのダイエット食品やらヨガマット、ランニングシューズなど、確かにどれも私が買ってもおかしくないようなアイテムばかりである。 amazon.co.jpは、日本の書籍を販売する際には、再販制の規制があるため、アメリカのようにネット販売のコスト安をうまく生かした低価格販売の戦略を取れなかった。品揃えの豊富さ、検索のしやすさ、レビューの面白さ(初期の頃はレビューの執筆者への謝礼もガンガン出していたし)で、本のヘビーユーザーを掴むことに成功したのである。 その後も、アフィリエイトの導入や、中古本の販売を自ら行うなど、リアルの書店業者ならば絶対にやらないであろうビジネスも開始、最近もなか見検索を始めるなど、ネット特有のビジネスモデルの強みを徹底して追及している。 また、少し前に日経MJも取り上げていたが、巨大な物流センターを整備し、取次経由ではなく自社物流の体制を取っている。だから、これと思う商品はしっかり備蓄しておき注文後1~2日で発送できるのである。 実は、その日経MJの記事を見て思ったのが、「近々アマゾンは取り扱いカテゴリーを広げるのではないか」ということだった。新聞記者がいろいろな筋から企業さんの新しい動きを察知して取材に赴く、ということはよくあることだ。これは私の推測だが、日経の記者さんも情報を察知して取材したのだが、「将来は書籍以外の商品も販売したい」程度の公式コメントでお茶を濁されてしまったので、あれ以上は書けなかったのかもしれない。非常にガードの固い企業さんだという噂もありますしね。 考えてみると、スポーツウェア、スポーツ用品は非常にネット販売に向いている商材だ。登山、野球、サッカーなど、用途別、機能別の分類、アイテム名もはっきりしていて、カテゴリー分類=検索がしやすい世界である。更に、特定の著名ブランドが強く、ブランド名から商品を探す客層もかなり多い。 昨今ではファッション性もかなり出てきたが、老若男女を問わず、幅広い客層にアピールできるジャンルでもある。 しかも、書籍の時とは違って、値引きも可能だ。常時10~20%の値引き、ということが新聞やネットニュース等には書かれていたが、さっきアマゾンのサイトを見ると、自転車で68%引きの商品があるなど、かなり安くなっているものもあった。 スポーツウェアは家電製品などと同じく、ブランド名や商品スペックによる比較購買がしやすい世界なので、すぐに価格比較サイト等で消費者の厳しい選択に曝されるとは思うが・・・。 物流とセリングパワーで、スポーツメーカーとの交渉も有利に持ち込み、コストダウンも徹底して、アマゾンのスポーツサイトが勝ち組の名乗りを上げるのは相当早いのではないかという気がする。 この動きに一番神経を尖らせているのは、まずはネット上でのショッピングモールを運営している楽天さんやYahoo Shoppingさんなど、そして、スポーツ用品のネット店さん達だろう。 いつも感じるのだが、ネットビジネスの業界の一大変化に対して、概してリアルでしか商売をなさっておられない方、もしくはリアルが売り上げのほとんど中心を占めておられる方々は、反応が鈍いような気がする。どのくらいの脅威か、ということが、ピンときておられないように思うのだ。 その点、ネット販売をなさっておられる方は、いかにアマゾンが優れた仕組みを構築しておられるか、自社にない強みを持っているか(特に物流)が身にしみてわかるのではないかという気がする。 次は当然、スポーツ専門店さんだろう。アルペンさんやゼビオさん、イオン・グループ系列のスポーツ・オーソリティーなどの大型店さんも然り。なんせ、アメリカのアマゾンには「300以上のランニングマシン、2,000以上のテント、700以上のスイスアーミーナイフ」(Japan.internet.com)が品揃えされているそうだから。100万アイテムなんて、確かに全てをリアルの店舗の店頭に置くことは不可能だ。一部をカタログもしくは、PCの画面で見せることは出来るとしてもーー。 次にやりやすいのは、やはりブランドやアイテムの指名買いが多い子供服、そして下着、ジーンズ、紳士服の重衣料などだろうが・・・。 婦人服だって、大手さんのブランド、有名ブランドならば、ブランド名で飛びついてくる客層というのは確実に存在する。アマゾンの堅固で優秀なシステムに載せれば現在発売中の店頭在庫の全てをサイトにアップしてもらうことだって可能だろう。 この楽天さんなどに、小さな専門店さんや中堅、中小のアパレルさんがギャザリングやセールなども活用しながら頑張って単品訴求型のサイトを掲載しているのとは訳が違う。完全な形でのMDを持ち込むことが可能なのだ。 多品種少量型のビジネスモデルを取っているブランドほど、実は、アマゾン型のビジネスモデルの魅力を強く感じるはずだ。アマゾンからお声がかかれば、日本の百貨店業界などとは何のしがらみもない同社のサイトに参画したい、というアパレルさん、専門店さんが続々と出てくる可能性は大いにあるのではないか。 ただ、その際、アマゾンお得意の、ネット販売の強みを生かした顧客サービス=値引き、の問題で、激しい駆け引きが行われると思うが。日本はアメリカとは違い、完全買い取りがほとんどと言っていいほど行われておらず、リアルの世界ではまだ値引きは常態化はしていないので。 とは言え、アメリカから外資を連れて来るって手をアマゾンは持っていますからね。次は間違いなく、アパレル全般、に進出しますね、日本のアマゾンは。 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年11月20日 23時41分07秒
[ニュース解説ー川下(小売業)] カテゴリの最新記事
|
|