852329 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

プロフィール

nomination1103

nomination1103

カテゴリ

2006年01月26日
XML
ユニクロさん、というか、厳密に言うとファーストリテイリングさんとダイエーさんの提携は、既存の「ユニクロ」の入店、という形を取らないことが正式に発表された。

今秋、現状のユニクロより価格が2~3割安の新ブランドを発売するそうである。ブランド、と表現されているが、テナントとして、独立的なハコを構えるのか、それともコーナー展開、という形を取るのか?また、既存のダイエーの衣料品売り場はどの程度残されるのか?

短いネットニュースの記事のみでは不明な点も多いのだが、現時点で感じたことを記しておきたい。

ユニクロ価格の2~3割安、というと、3割で計算すれば2,900円上代なら約2,000円、1,900円上代なら約1,300円と、非常にお得感がある。

まあ、上代が1,000円を切らなければ、「激安」とまでは行かないかもしれないが、現状のユニクロさんのきっちりした品質管理で作る商品ならば、「これ、安いのにものがいいわねぇ」と、普通のオバチャン達にはユニクロ以上に支持される可能性は高いだろう。

ダイエーさんは、競合が強かったり衰退が激しい地域の店舗はかなり閉鎖し、今残っているお店は、都心の駅前立地でソコソコ良い場所ばかりだ。

それらの店舗の弱点は、駐車場がない、ということだが、首都圏や関西等の都会地では、そういう店舗の周りには所得があまり高くない方々もかなり多く住んでいる。

昨日もある方と話したのだが、東京23区内の公立小学校では、両親のいずれかが外国人だったり、水商売をなさっておられる家庭の子供さん達が、地域によっては非常に数多く存在する、という状況があるらしい。(余談になるが、『下流社会』という本の中で著者の三浦展氏が、教育困難校にこそ、『ドラゴン桜』ではないが、指導力の高い教師を派遣すべきではないか、といった説を展開しておられたが、全く同感である)。

マンションや一戸建ての家を買い、休日に郊外の大規模SCに車で迎えるのは、安定した収入のある幸せなファミリーなのだ。賃貸のオンボロアパートの家賃の支払いを案じ、車なんて夢のまた夢、という庶民も存在するのである(今のさくらの生活も、それに近いですねぇ・・・トホホ)。

だから、「ユニクロ」より低価格のショップは、今の「ユニクロ」に近似したMDなら、間違いなくそこそこ売れていきますよ。

ファーストリテイリングさんの場合、「ユニクロ」の商品原価率は、リスクを貼っている分低めだと推察されるので、3割安にしても十分利益は出る構造だと思う。

しかし、問題は、もし新ブランドを既存の「ユニクロ」と似たMDにしてしまったら、近接する「ユニクロ」の商品の売り上げに影響が出るし、ひいては「ユニクロ」の方のブランドイメージの低下を招くのではないか、ということだ。

この点に関して、JDNのサイト(しかし、感度の高いデザインに関する情報サイトのニュースコーナーにちゃんとユニクロさんが取り上げられるとは!JDNさん偉い!!)に、気になる記述があった。「一部の商品を外部メーカーや問屋から仕入れることも検討する」という部分だ。

これは、ひょっとすると、実現すればファーストリテイリングさんにとって、大きな進化のきっかけになるような気がするのだ。

10月17日の私のブログで、「ユニクロの『第3世代論』に異議あり」というエントリを掲載したことを以前からの読者の方は憶えていて下さっているかもしれない。昨年秋頃、柳井社長兼CEOは、GAPやリミテッドを第1世代、ザラやH&MのようなファッションとトレンドによるSPAを第2世代と称し、自社はそれらよりも進化した形態の情報発信型製造小売業=第3世代製造小売業を目指す、と述べていたのだ。

それに対し、少品種大量型の単純なMDのユニクロは、まだ第1世代に過ぎないのではないか、という私の見解を書かせて頂いたのだ。

しかし、今度のユニクロの新ブランド、ユニクロさんのオリジナル+仕入れ商品、という形は、いわゆるUAさんとかワールドさんのアクア・ガールなどのビジネスモデルと形は同じなんですよ。プライスゾーンと、MDの中身がフツーのオバチャン、オバーチャン、若いお母さん向けでずっとずっとベタになっているだけで。

それこそ、ユニクロさんの好敵手、しまむらさんが、100%仕入れ商品でしまむらさんなりのファッショントレンド追求型専門店になっていることを想起してほしい。このビジネスモデルが、初期の頃にセレクトショップ業態でも見られた、純粋セレクト業態=100%仕入れ商品でファッション追求型、なのだとすると・・・。

仕入れ商品は見せ筋にとどめて、米の飯の部分のベーシックをしっかり売っていけば、うまくするとこちらのビジネスモデルの方がしまむら型よりは安定的に儲かる商売になり得る可能性は極めて高いような気がしてならないのだが・・・。

しかし、最大の問題は、MDや企画担当にどれだけ人材が存在するか、だろう。ファースリテイリングは、グループとして矢継ぎ早に海外ブランドのM&A等を進めている。ブランドポートフォリオを描いた時、同社のM&A戦略は非常にバランスも取れており絵に描いた餅としては素晴らしいものだと思うのだが・・・。

巨艦ブランド「ユニクロ」1つを取ってすら、マネジメントサイドではなく商品戦略を遂行する上での優秀な人材の数が全く不足しているのではないかという気がしてならないからだ。

今度の新ブランドも、こう言っちゃ何だが、ワールドさんやオンワードさん当たりでバリバリSPAブランドを回している感度も高いMDやデザイナーなどをチームごと引き抜く、くらいのことをしないと、かなり難しいのではないだろうか。

しかし、この新ブランド、真剣にやればやるほど将来宝の山になることは間違いないように私は思う。多くのファッション業界人はプライスゾーンの安いブランドで働くことを敬遠するきらいがあるが、今はたまたま景気回復しているものの、2~3年先、消費税率でも上がろうものなら、またぞろ売り上げが低迷する時期が来るのは目に見えていると皆さん思われませんか?

そうなった時、「安くていいもの」は強い。そして、いいか悪いかは別として、「庶民」は日本国以外からも働き口を求めて日本に集まってくるはずだからだ。

そして、「日本在住(日本民族、ではない)のフツーのオバチャン向け低価格セレクトショップ」業態が完成すれば、それこそ価格競争力とベタなMDのパワーによってアジアへの輸出も可能な強力なブランドと化する可能性も秘めているように思うのだ。頑張れ、ユニクロさん!

人気blogランキングへ





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2006年01月26日 23時18分11秒
[ニュース解説ー川下(小売業)] カテゴリの最新記事


キーワードサーチ

▼キーワード検索

お気に入りブログ

久米信行「縁尋奇妙… 当たらずと雖も遠からずさん
Club SDC日記 おざき しろうさん
ほりほり日記 ほりほり@堀田周郎さん

コメント新着

 両国さくら@ Re:閉鎖されるのですね(05/31) szenさん、 >お疲れ様でした。そして…
 両国さくら@ Re:お疲れ様でした。(05/31) nakaiさん、ご無沙汰しております。 >…
 両国さくら@ Re:お疲れ様でした(05/31) ☆grico☆さん、書き込み有難うございました…
 szen@ 閉鎖されるのですね お疲れ様でした。そして新しい場所でも頑…
 nakai@ お疲れ様でした。 この楽天のフォーマット、結構気に入って…

© Rakuten Group, Inc.
X