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カテゴリ:IT活用
昨年末にNTTドコモが発表したクレジットブランド「iD」がらみのニュースが矢継ぎ早に発表されている。
ファミリーマートでの全店舗導入、おサイフケータイの「三井住友カードiD」でのキャッシングサービスの開始に続いて、昨日は、ローソンに出資し、4月末までに約100店、2007年3月末までに全8,300店に「iD」を導入すると発表した。 今月初めにビッグサイトで行われたリテイルテックジャパンと同時開催された見本市IC CARD WORLDでも、「iD」のブースは注目を集めていたが、プリペイドの電子マネー以上に、リアルの小売業界からは熱い視線が注がれているように見える。 今日3月29日(水)付けの日本経済新聞朝刊にも、「iDの会員数は2月末で2万人。加盟店は全国の家電量販店や飲食チェーンなど2万店と、『想定より1ヵ月早いペース』(三井住友カード)で増えている。携帯電話を使った決済サービスで先行する電子マネー「Edy(エディ)」の3万店(3月1日時点)を上回る可能性がある」(同紙)というくだりがあったが、これって、小売業界にいる人達にとっては容易に想像できることなのではないだろうか。 ポイントでもたまるとか、何かの特典を付与しなければ、わざわざお金をプリペイドしておくメリットは消費者にはないが、クレジットは違う。 手持ちの現金がない時(自宅に置いてある、とか、銀行に入っているとか、お給料日まで生活費しか手元にはない、とかいろいろな状況が考えられるだろうが)、欲しいものがあって、それがクレジットですぐに買えれば便利である。 既に、ケータイではなくカード方式のクレジットカードで、「ちょっと買っとくか」「払っとくか」ということは、多くの人が経験済みなのではなかろうか。実際、私も夕べ、居酒屋でうちの会社の英会話講座の打ち上げの全員分の支払いを皆さんから集金する前にクレジットカードで済ませましたんで(^^;; だから、ポストペイド方式の「iD」の普及は、プラットフォームを用意したドコモさんやカード会社さん側の意向だけでなく、小売店やサービス業の店舗サイドからのラブコールで、加速度的に普及していくように私は思うのだ。 現状ではコンビニが先行しているが、むしろ、百貨店や紳士服専門店、家電量販店等の高額品を扱っている店舗の方に大きなメリットが出ると思われるため、遠からぬ将来、ほとんどの会社が導入するようになるのではないか、というのが、私の予想だ。 本人認証もできるなど、防犯上も便利なようですしね。 ちなみに、NTTドコモのマルチメディアサービス部長・夏野剛氏は、今年1月3日付けのITmediaで、プリペイドよりもポストペイドの市場規模の方がはるかに大きい、という趣旨のことをおっしゃっておられたようだ(夏野氏の肩書きは当時)。この見通しの正しさが、現在証明されつつある、ということなのだろう。 ただ、気になるのは、決済用のリーダー端末のことだ。IC Card Worldでデモを行っておられた企業さんに伺っても、当然設置費用は小売業側の負担だということだし…。 日経MJには、「ジャスコやミニストップにはスイカとの共用読み取り端末が完成した後に導入する計画」との記述もあったが、「Edy」もあれば、既存のクレジットカード用の端末もあり…。 更には、今後、auさんやボーダフォン=Yahoo陣営がこの虎の子の事業目掛けて(どう考えても、金融ってやはり儲かるんですよね)新しいクレジットサービスやキャッシングサービスなんぞを開始したら…。 3つも4つもお金を払って端末を置かなきゃならず、ただでさえ狭いレジ周りは大変なことになるのでは? そうなるとブーイングが小売業・サービス業側から出てくるだろうし、端末の規格は統合の方向に向かわざるを得ないようになると私は思いますね。 もう一丁、先走った予測をすると…。 次には、ケータイ通販にも、クレジットが使える、ということが当然出てくるはずだ。 考えれば考える程、携帯電話によるクレジットビジネスがいかに大きな金脈か、空恐ろしくなる。 いやはや、これはひょっとしたら、「iD」は日本国内に限ってはこの企画に乗り遅れた既存のカード会社にとって大きな脅威になる可能性すらありますね。 ところで皆様、「iD」は、ご親切にクレジットはおろか、キャッシングサービスまでご用意して下さっているようなのだが、借金のし過ぎにご注意を、なんてことは、業者さんは誰も口にはしないだろうから、お買い物は自制心を持って。なんて、お買い物好きの私が口にすると、あんまり説得力ないっすね(^^;; お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月29日 21時58分58秒
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