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カテゴリ:日々のことがら
いまはむかし。
骨董市で抹茶碗を買った事がある。 大した品物ではないけど、お茶を点てるには具合がいいかな?という底の雰囲気があったので買った。ちょっとしたお値段だった。 点ててみたら、自己流だけどもやっぱり点てやすくて、 「良かったなー。」 と満足していたら。 実家に引き上げてきてしばらくしてから、母が、 「ほらっ、あの小汚い茶碗漂白したよー。」 と言って持ってきてくれた。 「……」 それほど時代がついている訳ではないけどさ、こういう器って、一つだけゆっくりとそっと洗うもので、他の食器諸共強烈なブリーチにかけるものではないと思うんだ。 …… 骸骨の様になっている。 まとっていた日々は全部ブリーチに晒されて霧散し、抜け殻になったワタシの茶碗……。 全部ワスレテシマイマシタ、という、骨だけになった姿は腹が立つというより申し訳なくて……。とてもそれでお茶を点てようという気にはなれなくなって、戸棚の奥に仕舞ってしまった。 だけど、この頃妙に気に掛かる。 一度出してみよう、そしてなにか出来ないか、考えてみようって。 左手ではちょっとお茶は点てられないと思うけど……。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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