テーマ:介護・看護・喪失(5306)
カテゴリ:老い。
金曜日。 前日、正座した途端に歩けないほどの左膝の痛みに苦しんだ義母。 本人も病院へ行く心積もりになっており、 早朝から、何処で診ていただくこうか、と、何度も何度も電話が掛かる。 この地には整形外科がなく、何処へ行くにも山越えをしなくてはならず。 今後のリハビリ等々、義母も不安にかられたらしい。 私は、それなりの設備の整った整形外科を勧めたのだったが、 義母は、近隣の方々とも同時進行で相談し、 結局、町内の接骨院へ行きたい、と言う。 初診だけはX線のある整形外科が良いのでは、と言ったのだが、 鼻先で却下され、溜息つきつつ、接骨院へお連れすることに。 だが、私との電話の後でトイレに行き、便座に座った途端、 義母曰く、「 膝が かくかくっとした 」ことで、 なんだか膝がすっきりして、フツーに歩けるようになった。 まだ抑えると飛び上がる程痛いが、これならもう、 病院へ行かなくてもいい、とまた電話が入る。 ぃゃぃゃ、また夕方、昨日のようになるかも知れないので、 行くだけ行って、診ていただいてすっきり安心しましょう、と連れ出す。 その接骨院では、 「 剥離骨折的な、骨の異常の可能性が高いため、 まずは整形外科へ行くように 」 と言われ、 その場で迷った挙句、 JR電車では通えない、北方の整形外科クリニックへお連れする。 診断は、『 変形性膝関節症 』。 なぁんだ、と気が緩む(゚゜)\バキ☆ 私自身、右膝は未だチタンプレートが入って半月板もなく、 ぐしゃぐしゃのままだし、左膝も、バレーとこの体重で、 しっかり、この『 変形性膝関節症 』であるから、である。 これなら、症状からリハビリ対策まで百も承知! ところが、私のおそらく明るくなったであろう表情を、 先生はちらりと横目で観られ、義母にとてもキツい調子で話しかけられる。 曰く、これまでよくもった。 だが、もうお仕舞い。 ここからはどんどん悪くなるばかりであり、 実際、この腫れは、水が溜まりかけているからである。 【 お行儀に座ることは厳禁 】 【 階段の上り下りの禁止 】 【 散歩もダメ 】 【 運動は腰掛けて、足首におもりをつけてヤる運動だけ 】 【 畑仕事はヤめるように 】 そこまで聞いていた義母は、 「 畑仕事は私の唯一の生きがいで楽しみ、、 」 と口を開くが、 「 その楽しみのために、すぐに車椅子になり、 そこからオムツを当てるようになってもええんか? あんたの楽しみで、泣くのは、そこの嫁さんで? 」と一喝。 「 いよいよ悪ぅなったら、手術をすりゃぁ、よぅなるがの、 これも輸血の要る手術で、あんたの歳なら、生き死にを賭けるようになる 」 「 悪いことは言わん。 僕のおふくろは93歳で、頭も口も元気なんじゃが、 もう、自分では歩けんし、何もできん。 東京に住んどった姉が、介護のために広島に帰ってくれて、 姉は24時間、おふくろを看てくれとるんよ。 あんたはそうなってもええんか? 」 「 こころや頭がどうであれ、身体は83歳の身体であり、 これまでよぅ働き、よぅもった方じゃ。 でももう、一生のうちの9割を使ったんよ。 はぁ畑はヤめんさい。 これからは、トイレに歩いて行ける、風呂に自分で入れる、 食事を自分でつくれる、それだけで有難いと思いながらの毎日を送らんにゃ。 家の外にはもう、余り出られん覚悟でおらんにゃ。 あんたの生きがいなんじゃけん、 野菜や芋を一切つくったらいけん、とは言わんけど、 膝を使えば使うほど、車椅子に近付くことを肝に銘じることじゃね 」 義母はすっかりヘコんでしまって、胸が痛い。 たちまち日々収穫しなくてはならない野菜や、 もうすぐ食べられそうな枝豆。 掘らなくてはならない根菜類。。。。 義母の胸のうちが判るだけに、 代わって私がヤります、とは言えない、私の状態が申し訳なく。 「 来年は味瓜を、、 」と意欲に燃えてた義母を思うと涙が出る。 散々ヘコんだ義母だけれど、義母宅に帰る頃には、 「 もうそんなに痛くない 」。 「 一切ダメ、とは言われなかった。 楽しみ程度なら、ええんぢゃろ 」 お得意のご都合の良い解釈が、どんどん拡大して行く(o_ _)oポテッ せめて膝の水がひくまでは、畑に出ないで欲しいとお願いしつつ、 義父のアルツハイマーは、 稲作をヤめて暫くして発症していったことが頭をよぎる。 畑仕事しか、義母の趣味はなく、義母からこれを取り上げたら、 鬱状態となられるのは火をみるより明らかだし、 こころのはりを無くされ、こころを病まれたり、 認知症へとすすまれてはイヤだ! 。。。かといって、今まで以上に義母との時間をつくるのは、 私のこころがもたない( ┬_┬)。 義母は、四肢麻痺から死に至る、5年前の難病を 気力体力、壮絶なるリハビリで克服していった頑張りをもつひとだが、 元気になる目標の農作業禁止、散歩さえNO、と言われる今回は、 どうやってこころを奮い立たせてクリアして行けばよいか。 。。。。。途方にくれる想いがするけれど、まだまだ。 幸いなるかな。 深刻なる大病ではない。 明日、車椅子に倒れる、という状態でもない。 今を大事に大事に。 そう、義母が考えてくれることを祈るのみ。 ふぁいと!! > 義母 ふぁいと!>ぢぶん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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