テーマ:■今日のシアワセ■(578)
カテゴリ:老い。
明け方、スープの冷めない距離に独り住む 85歳になる義母が 夜中にトイレに起き、気がついたら、トイレの前の廊下で倒れていた、 という電話で たたき起こされ、 すぐに 前日 診ていただいたばかりの内科へ連れて行く。 先生も驚かれ、丁寧に診ていただいたにもかかわらず、 何処にも異状がないとのことで、とりあえず安堵したものの、 原因不明では こころもとない。 万一のことがあってはいけないので、義母に当日の入浴はヤめて貰い、 夜まで 一緒におり、様子を伺う。 義母曰く、前日、 午後からの 畑仕事で 小さな虫に咬まれた腕が 腫れて痒く、 また、少々 下痢気味なのもあって、イライラと余り眠れておらず、 何度もトイレに起きては、その都度 腕に アンモニアを塗布し、 何やら胸もムカついて来て、疲労困憊していた由 それらが重なって、一瞬 気を失ったのではないか、 倒れていた時間は、そんなに長くなかったように思う、と。 内科に行くまでは 顔色も悪く、心配したが、 先生に何処にも異状がない、と言われて 安心したのか、 血色も良く、いつもと変わらぬ義母の様子に、私も安心し、自宅へ戻る。 だが 翌朝未明に、再び、義母の電話に叩き起こされ、 倒れたときに 頭を打っていたようで、 昨夜 眠ろうと枕に頭を乗せたら、とても痛いのだ。 でも 瘤はできていないのだ、と 半狂乱になっている。 その様子に息を呑み、同時に 義父の姿が重なり、心臓が飛び跳ねる。 義母も私同様に、義父が亡くなる原因となったのが 頭を打ったことによる 硬膜下血腫であったことを思い起こし、 一晩中、恐怖に慄いたようなのである。 それほど 不安にかられながらも、 深夜に私へ電話するのを遠慮した義母に 胸が痛む。 もう一度、内科へ連れて行け、という義母に、 ものが二重に見えたりはしないか、 吐き気はないか、喋りにくくはないか、と尋ね、 心配ですから 今日は 脳外科のあるところに行きましょう、と言うと 痛い場所を押せば痛いだけで、なんともないし、 おとうさんの行ったところには行きたくない。 昨日の内科でも十分診てくれる。 と 言い張る義母。 申し訳ないけれど、脳外科で診ていただく方が安心できると思うので、 おにいさんやおねえさんに相談させて下さい、と言うと 「 あんちゃんには 心配かけるけん、言いとうなかったんじゃが、 あんたから 言われるくらいなら、今から わしが自分で電話する! 」 と 怒って電話が切れる。 長義兄夫婦との話が長くなったのか、1時間経って、 「 脳外科に行くことにする 」 と 義母から電話が掛かり、 義父が行ったところではない脳外科へ行くことに決まったものの、 その後、長義兄夫婦、義母宅の近隣の方々まで 巻き込んで。 いろいろ いろいろ いろいろ 紆余曲折。 義母が痛がった場所に ぽちっと 5mm位の血豆のやうな瘤が見つかり、 「 こりゃー、ねぇさん、心配なぃわ 」 との 脳神経外科へ通われるご家族の在られる近隣の御方の鶴の一声で 結局、みたび 同じ 内科で診ていただくこととなり。 その御方の一声で、また 血色が戻り、随分元気になった義母を 内科へ連れて行くと 駐車場がいっぱぃであったため、 義母を下ろして 受付を済ませ、いったん自宅へ戻り、 時間を見計らって 行ってみると 駐車場が空いており、義母もいない! 蒼くなって 受付で尋ねると 「 すっかりお元気になられて 近くのスーパーに行くと おっしゃっておられましたよ 」 (o_ _)oポテッ 御礼を申し上げるのもそこそこに、すっ飛んでスーパーへ行ってみると、 義母は 元気に カートへ たくさん食料を積んで、買い回っていた。 樋工事も始まっているので、 カートには、職人さんへの果物、お菓子類もたっぷり。 この様子では きっと大丈夫であろうと 安堵し、 まずは その場で 長義兄夫婦へメールを送り、 義母と一緒に義母宅へ戻り、夜まで共に過ごす。 おそらく、倒れる際、トイレのドアにもたれかかるように ずるずると上手に倒れ、最後にトイレのノブに こつん、と 頭が当たった程度なのであろう、とのこと。 「 おとうさんが守って下さったんですね 」 と 義母に言いながら、本当にそうだ、と想う。 ひとつ間違えば、倒れたまま 風邪気味の身体を長時間冷やして 肺炎を起こしていたかも識れず、 また、倒れ方がまずくて、後頭部を強打していたかも識れず。 如何に日々元気であっても いつ 何が起きてもおかしくはなく、 義母の年齢ともなれば、なおさらのことである。 今日と同じ 明日が来るとは 限らないことを痛感しつつ、 2日がかりで、身の縮む想いをしたものの、 これも 笑い話で済む大騒動だったのだ、と思えば、 何もかもが有難く、自然に頬が緩みつつ、自宅へ戻るなり 撃沈す。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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