カテゴリ:老い。
水曜日。 先週金曜日から続く、濃ゆい日々の 中休み。 午前中の義母の通院運転手から やっとのことで解放され、 急に気温の上昇が続いたため、おたおたしてると見逃しちゃう、と、 いつもお花見を楽しむダム周りの公園へ行っちゃおうと決め。 せっかくなので、手早く卵のサンドイッチをつくり、 いつもは1杯分の豆を4杯分挽いて、香りを楽しみつつ、 我慢しきれず、ちょっとだけ飲みながら、珈琲をたっぷりポットに入れて。 う"~。。。 私の大好きな状態からは ちょっとだけもぉ遅し。。。(;;)。 でもね、でもね、いいの、いいの。 そんなに葉っぱは出てないし、何より、また 逢えたんだもんね(;;)。 よくよく観たら、蕾だって、まだまだ居るし(//▽//)☆ 平日の昼下がりだからか。 バーベキューでわぃわぃ騒いでいる集団は、 近隣の大学生らしい1集団だけ。 そこから少し離れると、なんだか静かで穏やかな時空が広がり。 気がつくと車椅子な方々が多い。 車椅子に乗ったご主人らしき御方を優しく押しておられるご婦人。 車椅子に乗った年配のご婦人を囲む、おそらくその御方の子ども夫婦。 よちよち歩きの赤ちゃんを遊ばせる若夫婦。 それを目を細めて見つめる老夫婦――。 どの桜の木の下も、そうしたご家族連れが 静かにゆったりと桜を愛でておられる風景は、何かあたたかく、何か胸に響く。 漸く 誰もいない桜を見つけ、ハンカチを敷いて座る。 サンドイッチを頬張りながら、 根っこから花を咲かせているところを見つけ、 カメラを構える。 そこへ、ディサービスの スタッフジャンバーを着た女性に伴われた おばあさまがヤって来られ、 幹を挟んだ隣に陣取られ、お弁当の準備。 「 ちょっと待ってて下さいね。 車を動かして来ますから 」 スタッフの女性にそう言われて独りにされても、全く意に介されず、 お弁当を食べ始めたおばあさまは、 カメラを構えて地面を撮っている私に目を留められ、 「 おねえさん、おねえさん。 いったぃ何をしよってんかのぅ 」 根に咲く桜を撮影しているのだ、と答え、暫くして 「 おねえさん、おねえさん。 あなたぁ、いったぃ何をしよってんかのぅ 」 何度、この会話を交わしたか、判らなくなった頃、スタッフの女性が戻られる。 おばあさまは、 「 おねぇさん、おねえさん、 あそこのひとは、いったぃ何をしよってんかのぅ 」 このお花見は、おばあさまがせがまれたのか、 ディサービスの方々のこころ尽くしのことなのか。。。。 食べることやトイレは自分でできても、直前記憶がなくなってしまう アルツハイマーに苦しんだ義父との日々が蘇り、ふっと眩暈が襲う。 こんなに待ち侘び、こんなにこころ奪われる桜の季節――。 この愛してやまない いっときの夢、を 迎えることが哀しかったり、怖かったり、淋しかったり。 そんな想いを抱えた方々も、この世にはたくさんおられるのだろうと、 胸が痛くなって、いたたまれず。 珈琲も飲まず、ポットを持って立ち上がる。 そのとき。 ざっと 音がして 風が舞い、 目の前が白くなるほど 花吹雪が舞う。 そかそか。 散らずに、私を待っててくれたんだね(;;)。 そんなハズはないのに、 そんな風に感じられて、涙ひとつ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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