カテゴリ:読書
「1985年の奇跡」を読んだ。
(この記事ネタばれあり) 野球の弱小校、小金井公園高校。 設立から8年目で管理教育が行き届き、閉塞感が漂っている。 クラスは学力別で主人公のキャプテンは最低のF組。 校則は厳しく、運動部も勉強の邪魔としか評価されない。 今まで勝ったことがないこの高校にチャンスが巡ってくる。 野球で強豪校にいた左腕の沢渡が転校してきたからだ。 剛速球を投げる彼がいれば勝てる。 そう思っていたナインは張り切るし、実際地区予選の準決勝まで勝ち進む。 美人マネージャーの登場もナインの刺激にはなった。 だが沢渡には人に言えない秘密があった。 (以下ネタばれ) トランプのシーンで使われたサインペンが、後半生きてくる。 だが私には読んでいてそのことがすぐにわかってしまった。 沢渡が同性愛者であるということが、墨山高校との試合中にわかる。 しかし、噂というものは怖い。 それまで、強豪校相手にノーヒットノーランまでした沢渡。 実際は、もっと前に誰かが秘密を話してしまうだろう。 「人の噂も49日」は面白かった。 同性愛。 私も含めて人は自分と違う者を避けたがる。 1985年でなくても、同性愛者を理解する人は少ない。 私も含めて、頑固な管理教育の推進者である校長を簡単に批判できない。 カトリック信者でなくても、同性愛を批判する心を多くの人は持っている。 作者の五十嵐貴久。 「ロケットボーイズ」や「パパとムスメの7日間」などを書いている。 成蹊大学出身。成蹊大と言えば作家では石田衣良。 その前には小池真理子、桐野夏生もこの大学出身。 (安倍晋三元首相も成蹊大) 「1985年の奇跡」は舞台は武蔵野市や三鷹市で成蹊大に近い。 この作品は雑誌で紹介されていたことで知ってはいた。 だが今まで読まないでいた。 今読んだのは、この本が図書館のリサイクルで無料になっていたから。 残念なことに、本はかなり新しいままだった。 (複数購入、または寄贈されたため?) 後に古い作品を読むのは悪いことではない。 しかも、携帯のない時代が描かれているのでノスタルジーに浸れる。 おニャン子クラブや「夕やけニャンニャン」など、かなり懐かしい。 チェッカーズやC-C-B、小泉今日子。 ある年代には懐かしさ爆発のはず。 JALの墜落事故もこの年の8月だった。 たぶん5年後に読んだとしても面白さは変わらなかっただろう。 墨山高校とのリターンマッチ。 その結果とエピローグは果たして必要だったのか。 読者によって意見は大きく分かれるに違いない。 この作品は稚拙な部分が目立つ。 しかしそれを差し引いても面白い。 簡単な内容なので、するすると読める。 今度、別の作品も読んでみよう。 *********************** 関連記事 〇「1985年の奇跡」 五十嵐貴久 双葉社 1700円 2003/7 五十嵐貴久 『1985年の奇跡』 「1985年の奇跡」五十嵐貴久 五十嵐貴久:「1985年の奇跡」 『1985年の奇跡』五十嵐貴久著/双葉文庫 『1985年の奇跡』 五十嵐貴久 1985年の奇跡/五十嵐 貴久 1985年の奇跡 「1985年の奇跡」読みました 1985年の奇跡 五十嵐貴久 五十嵐貴久「1985年の奇跡」 1985年の奇跡 1985年の奇跡 【五十嵐 貴久】 【1985年の奇跡】五十嵐貴久 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.05.17 20:59:46
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