カテゴリ:読書
正月に安岡章太郎の「質屋の女房」を読んだ。
安岡の描く主人公は、必ず劣等感が背後にある。 病気に落第、そして敗戦。 人間が以下に弱い存在であるか。 それを文学で表現したのが安岡だ。 「悪い仲間」「陰気な愉しみ」で芥川賞を受賞。 ヒグラシが鳥だと思っている悦子。 宮城(今の皇居)前でお辞儀をするかどうか。 主人公のささやかな抵抗と時代の流れ。 今読んでも新鮮さを感じることができる。 「悪い仲間」に出てくる藤井高麗彦。 彼のモデルは古山高麗雄。 朝鮮半島の新義州生まれの古山は「プレオー8の夜明け」で芥川賞受賞。 今になって古い小説を読むのは意味のあること。 それは、その時代を人がどう生きたのか推察できるから。 興味深かったのは「軍歌」。 いつの世にも歴史を自分の都合で曲げて解釈したがる人はいるものだ。 あなたの近くにもそんな人はきっといる。 *********************** 関連記事 質屋の女房 安岡章太郎@屈折した感情を読む楽しみ 安岡章太郎「悪い仲間」「質屋の女房」読書会 質屋の女房 安岡章太郎 新潮文庫 *********************** ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.01.04 20:53:13
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