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覚せい剤の尿検査でクロと判定された被告が無罪判決となった。
求刑は懲役3年6月だった。 違法捜査で無罪判決 横浜地裁 県警は別容疑ですぐ逮捕(asahi.com) この事件は昨年の暮に起きた。 45歳の被告が覚せい剤使用で現行犯逮捕された。 逮捕後に行った尿検査でもクロの鑑定結果が出ている。 しかし8日に横浜地裁で行われた判決公判。 秋山敬裁判長は無罪判決を出した。 その理由は違法捜査による逮捕。 日本では、一審での有罪率がほぼ100%と極めて高い。 今回のように地裁レベルで無罪判決が出ることはまずない。 06年当時の検事総長も「99.9%が誇れる数字ではない」と述べている。 有罪率99.9% 覚せい剤は被告の車から見つかった。 しかし令状なしに乗用車を調べた警察官たち3人。 さらに、被告の同意なしで警察車両内に約1時間被告を閉じ込めた。 判決文では尿検査の結果も証拠として認めなかった。 被告は釈放された直後に窃盗と傷害の疑いで再逮捕された。 これは、「デュー・プロセス」の問題。以下のページに出ている。 デュー・プロセス・オブ・ロー(Wikipedia) アメリカの場合、日本より捜査での手続きが厳格だ。 映画やテレビドラマなどで日本でもよく知られている。 刑事は逮捕時、黙秘権や弁護士について容疑者に説明する必要がある。 これを「ミランダルール」という。以下の事件が発端となった。 ミランダ対アリゾナ州事件(Wikipedia) もし、刑事が黙秘権や弁護士の説明なしに逮捕したら。 それは即「違法な逮捕」となる。 日本でも、令状主義という大原則はある。 令状なしでの身柄の拘束や捜索は本来違法。 (例外として現行犯逮捕や緊急逮捕がある) だが、現場の警察官はいちいち令状を取っていられない。 令状なしの捜査は本来任意でなければならない。 これは警察官職務執行法での規定にあるとおり。 警察や検察は、大きな権力を持っている。 もしその力が間違って使われたら、人は生命をも危険となる。 権力が間違った使われ方をしないように。 また冤罪を予防するという意味でも刑事手続きは厳格に行う必要がある。 ここが警察の捜査として難しいところ。 怪しい人物を取り逃がすことは職務としてできない。 その一方で今回のように、違法捜査と判断されるのは本末転倒。 今回の裁判では、捜査員の令状に対する理解不足は明らか。 「理解の乏しさ深刻」無罪判決で警察の甘い認識を批判/横浜地裁(神奈川新聞) 上記神奈川新聞の記事によると、署員は法廷でこう証言した。 「捜索令状のことはよく分からず、あとで必要と知った」 (太字部分、神奈川新聞の記事より引用) 検察はこの件を高裁に控訴するのだろうか? 果たしてそれで勝ち目があるのかどうか。 そして何より同じような場面があったら、今度は令状なしに捜索しない? この件は、今回のこともあるが将来の捜査に大きく影響する。 間違いないのは、今後こうした違法捜査という判断は増えること。 裁判員制度導入も、無罪判決の増加に影響すると考えられる。 一般人は原則論を重視するだろう。 ※トラックバックは管理人が承認した後に表示されます。 バナーにクリック願います。 ***トラックバックはテーマに関係するもののみどうぞ。 その場合リンクは必要とはしません。 意見があればメッセージでどうぞ。 ただし荒らしと挨拶できない人はお断りです。 今のところメッセージは全て読んでいます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.03.09 19:47:35
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