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MAYの日記

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September 26, 2021
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カテゴリ:歌舞伎
演目:「東海道四谷怪談」
配役:民谷伊右衛門:片岡仁左衛門
   お岩:坂東玉三郎
      
38年ぶりの配役という。
開演前から話題になりすぎてて
取れると微塵も思ってなかった&チケット完全諦めていたけれど
たまたま友達からのメールでたまたま見た空席照会で
たまたま空いていた2階席最前という良席から観劇させて頂きました・・・ありがたや。

昨日夜には「ニザ様になら殺されてもいい」というご存知着地点予想でしたが、

違う。

違う。

玉様の、お岩さんが、凄すぎて。

服装が質素でも体調が悪くても顔が崩れてしまっても
その場にいるだけで透きとおるようで元武士の娘の凛とした強さもあって儚げで艶があって妖感がある
どうにもこうにも表現出来ない佇まいから滲み出るオーラ。
所作もラインの作り方も全てが綺麗すぎて気品があって・・・
・・・・お岩さん以前にこの世の人なのかな玉様・・・・・(ひたすらに失われる語彙力)
息をする音も、唾を飲むのも憚られる空気、
玉様のお岩さんの出す圧と雰囲気にどっぷり呑まれてたっていうか
玉様お岩さんは「うらめしや〜」ってあの怖さじゃなくて
人としての蝶番が外れた怖さと強さと重みとっていうか・・・・
めっっっっっちゃめちゃ惹きつけられて集中して見てたら全身に力入っていたみたいで
家ついたら体バッキバキになってました。疲れた・・・・・。
一階席だったら熱だしてんなこれ・・。

さてニザ様の伊右衛門、
数年前に竹三郎さんの会(2013年)で見た事があります。
その時は「ニザ様が旦那様なら足蹴にされても生傷たえない生活でもいい」とかほざいてたんですが
(竹ちゃんのお岩さんがすごく可愛いお岩さんで、もー苛めないであげてよーっっっと思いながら見ていた)
今日のニザ様伊右衛門見ていて
この人(伊右衛門)、ほんとに奥さん(お岩さん)のこと、女性として好きだったんだな
って思いまして・・・・
血の巡りがよくなる薬ちゃんと渡してたり
それ毒でしたーってわかった時焦ってたり
命に別状はないって独り言言ってから家入ったり
顔が崩れちゃったお岩さん見て震えてたり
改めて思えば、
蚊帳まで質に入れるぐらいなのに鏡と化粧箱(しかも塗りの箱)、残してくれてんじゃん・・・
お岩さんを”足蹴”にした→吹っ切ったんだなって思って
なんか泣けてきたっつーか・・・(疲れてんのかな・・・)
ヤクザ紛いで金によくよく目の眩むDVクソ野郎だけど・・・暖かさもちょっとあったっつーか・・・
寂しい家のセット、粗末な着物の衣装、色味の無い舞台全体が
ニザ様伊右衛門と玉様お岩さんを引き立てる小道具にすら見えていた圧倒的御両人。
圧巻の1幕でした。細胞が震えた。
見れて本当に良かったです・・・・・・・っっっっっっっっ!!!!!!!!!!


この話、一番怖いの何気に伊藤家の皆さんで
伊藤家の皆さんの最後は因果応報というか、なんといいましょうか。
友達から「金があったら私だって伊藤家寄りの人間だ」って追加連絡きたけど、
・・・・お金、なくてよかったよね私達。
でもニザ様かかっててお金がもし手元にあったら・・・確かに紙一重だよね・・・・・。
お岩さんばかりがクローズアップされがちな四谷怪談だけど
人が生きる世に、現代に、確実に通じる不変のテーマが根底にあって
鶴屋南北ほんと人の汚い部分についてストーリー書く天才だなって毎回思う。
(面白いし”魅せる”話しだしで凄い)
そしてその天才南北の書いた脚本にこんなにハマる役者がいる時代を生きてて
最高に幸せだなと思う。
残虐で欲深くて愚かな、いつの世の中も人間が一番怖い。

今回の歌舞伎座も客席日本野鳥の会の集まりなのかと見紛うばかりに
皆様オペラグラスご持参でいらしてました。
この光景、ニザ様か玉様がいる時に限っての最早風物詩ですな。
人って美しいものに貪欲ーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・
ほらほらほらほら!みんな、伊藤家紙一重!!!!







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Last updated  September 29, 2021 12:46:01 AM



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