「赤い指」
気になって最後まで一気に読んでしまいました! 【送料無料】赤い指 [ 東野圭吾 ] オチのオチのオチまで用意されている話の展開が、話に出てくる将棋ように、まるで将棋を詰めていくような加賀刑事の攻め方に引き込まれました。犯罪がいかに日常の中にあり、弾みで生まれ背中合わせなのだと感じさせる。被害者の気持ち、どうしようもない加害者、それを育てた親、異常な状況に罪だとわかっていても守りたくなる気持ち、罪を認めさせようとする親心、親子の形もそれぞれで、どの親子の形も普通じゃないようで、どこにでもありそうで・・・。 人間の心の弱さ、罪深さを突きつけられる、そんな小説なのに読後感には人間の暖かさを少し残す、東野圭吾という人は本当になんて凄い小説家なんだろう・・・。 中学3年生の息子が犯した犯罪をかばう親・・・、信じられない馬鹿親だと思うけど、もし、自分の息子が罪を犯してしまったら、冷静に判断が出来るのだろうか、・・・・。子育てって、失敗しようと思って子育てしている親はいないと思う。どの親も一生懸命我が子を思って、成長を願っているのだと思うけれど、どこで掛け違ったか、どこで間違ってしまったか解らずに、見えなくなってしまう。そんな親にはならないように・・・親の誰もがそう思っているはずなのに・・・ そして、親の大切さを見失う子ども・・・切ないお話でしたが、最後に、親子であるがゆえの絆を残し、色々考えさせられた小説でした。