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のんびり幸兵衛夢日記

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2008.09.10
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カテゴリ:アトピー
先日叔母と何やかや話をしたとき、母が私のことを、「これまでステロイドを使わないようにと思ってきたけど、そうやって何年も経ってしまったことが、かえってこの子のからだを内側から悪くしてたんやわと最近思って」と口にしました。「全身に影響が及んで、薬を使うよりかえって悪いことになってたと思う」とも。

去年の今頃そういう発想からスタートしたんだけど。確かにこの1年の変化はすごい。そのことを、最近は忘れそうになるのです。
去年の今頃はいろいろ情報を集めて、入院中に接した考え方とは違う方向から考え直そうとしていました。
突発事故的で入院することになって、その勢いでステロイドを塗ることになれば、あとできっと気持ちが揺らいで後悔するときが来る、そのときに挫折してしまうのが怖かったのです。

今は、この選択をしてよかったと思います。

副作用は、ないではありません。
今回分かったのは、一つには世の中で副作用と言われているものの中には増悪した皮膚の状態を慢性化させておくことによって起こっている弊害をステロイドの害と誤解している場合も多いということです。いわば傷の状態になっていたことによる色素沈着は、ステロイドで皮膚の状態がよくなるにしたがって治ってきます。
ただし、長年皮膚を力で苛めてきたことによる影響はステロイドで治すことはできません。むしろ皮膚の状態が落ち着くにしたがって、シミとなって表れてきます。ちょうど老化とともに紫外線によるシミがでてくるようなものではないかと思います。
もう一つは、逆に、副作用は確かにあるのだということ。たとえば、毛深くなります。よく書いてはあるけど、自分の場合のこれはどうなの?ということです。今までいろんな先生が、こっちから聞きもしないのに先回りして否定してたので、私の体質が悪いのだと思ってた。けど今回太ももの上の方のヘルペスの痕にしっかり塗るようダメ押しされて、今じゃすっかり痕も湿疹もなくなったものの、忘れた頃にドッと出てきて、はっきり分かりました。子供のときから使ってるからタイヘン。

でも今の先生が私を説得するとき、思い返しても、ウマい話はひとつもしませんでした。これが、すごいと思うのです。
私はこれまでにあったことを、ヘルペスの最中物凄いカッコで涙ながらに延々訴えて、その中でいろんな副作用があったのでもう今後一生使うことはないとはっきり言ったのに、そんなことはないとはひと言も言わず、ステロイドを使ってきたころの生活と使わなかったときの生活を比べてみて、どうだろうかという話を何度もしました。使わずに何年も頑張ってきて、そして生活の質は上がっただろうか、からだがよくなってきたと実感できましたか。
そして、やっぱり使って少しでも生活の質を上げていけるよう、外に出て行けるようにしていこうとしか言わなかったのがすごいなと最近思います。

だから、私は使わなくて済むレベルなら使わないに超したことはないけど、使うべきときは使わなければならないと思って使っています。
でも、塗ること自体は痛くも痒くもないけど、それなりに苦しみもあって使っているからには、これさえ使えば楽勝になってくれる…なんてことも夢みていました。
でもそうはなりません。出発点が悪すぎるのだから、当たり前です。でも最近、こないだまでのひどい日常を忘れそうになって、普通の人と比べて落胆したりあせってしまいます。
でもそれでは、これからまだ長丁場なのだからよい結果にはなりません。
ついこないだまで10年以上続いてきた、永遠に続くかのように思われた日々を記憶にとどめておかなくては。



これまで何度か書いたように、夜9時にお風呂に入って、オイルで保湿し、なんやかやで寝れるようになるのは午前3時近く。その間暗闇でひとり七転八倒、立ち上がってしこを踏むみたいに力を入れたり、からだを力いっぱい引っ掻き回したり、コナをかき集めたり。クッタクタ。
で、じつはずっとそのときパジャマも下着も脱いで素っ裸だった。何度も今地震来たらアウトと思ったけど、どうしようもなかったのでその先は考えるのを止めてた。ってことは、母にもついこないだ話した。

昼は夜の格闘が嘘のようにコテッと眠れる。からだのリズムを崩さぬよう&精神衛生上午前中に歩いといて、昼軽く食べたら、コテッと寝る。すぐ夕方になって、晩ごはん、風呂、長い長い大格闘グルグルグル。
毎年今度こそと思っても、いつまで経っても抜けられない暑い夏のジゴク。
な~んにも出来なかった。い~っぱいのものを失った。

そんなだったので、去年入院するに当たって個室を頼みました。別に脱いで寝るつもりじゃなかったけど、これまでの入院生活から今の状態で大部屋はムリと思ったので。それが、初日にお風呂に入って一度薬を塗っだけでその日の晩からコテッと行儀よく寝てしまいました。ドッタンバッタン動き回る予定だったのにお金モッタイナイ。
今もお風呂のあとササッと薬を塗って、寝るまでに1時間ほどポコッと時間が空きます。こんなのすんごいゼイタク。ちょっとずつでもいろんなことが出来ます。シアワセでもあるし、失くしたものの大きさを思い悲しくもあります。



ステロイドを使ってよかったというのは、今、眠るべき時間にちゃんと眠れる、朝起きて疲れない、食べたものが身につく、からだの中の機能が動いてくれるといったことを実感できる、ということです。

ひと口にアトピー性皮膚炎といっても、小さい子の一過性のものから、女性の化粧からこじれたもの、男性の食生活の乱れや不規則な生活に起因するものなどもひと括りにされているのが困りもの。
原因や状態は人により違うのに、アトピーの治療はかくあるべしと簡単にいうのは無理があるし、一人ひとりの症状により的確な判断を下すには、豊富な知識や経験も必要。またそれと同時に皮膚の状態を見極められる確かな目を持った医者にかかることが必要だということも、この1年で感じました。

規則正しい生活とか質のいい食生活や衛生面の環境整備など、からだのためによいと思うことは、積極的にするのがいいと、今の主治医は考えているように思われます(本に掲載されているインタビューを読むと)。私との会話でも、最初に私が話した生活のパターン・食生活で気をつけていることなどを覚えていて、それを継続していることを前提に話されています。
そのようなことは病院の治療と対立しないし、患者がそれぞれ努力すべきことで、今の医療を遠ざけることにはならないということなのではないかと思います。

ただ私は、こういうことだけにしか希望を見出せなくなってしまっていた。
これまで何度も医者を信頼しては裏切られてきたからです。
自分の人生は一度しか経験できないから、私にとって自分のからだに起こることは初めてのことばかりで、いつも分らないことばかりです。
でも、医者という職業をしていれば、毎日同じような人をたくさん診る機会があり、そのことだけを考えたり研究して生活していて、多くの情報を得ることも出来る。
なのに、これまで何人もの医者にかかって誰も助けてくれなったのが、本当に悔しいです。
…こんなことをつい先日口走ったら、叔母がまた2日後に梨を抱えてやって来ました。やべぇ、ここはやたらはしゃぐしかねぇ~。





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最終更新日  2008.09.10 08:56:09
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