カンスイ麺の歴史
中華麺独特の色と強いコシを出すカン水。カンは「木へんに見」と書く。麺を打つ時、小麦粉のこね水として欠かせない。水で薄めて使う液体タイプは1リットル1,500円で中華材料店に売っている。もともと中国大陸内奥部・内モンゴルあたりの湖沼から自然に湧いているアルカリ性の水で、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどを多く含む。中国では1,700年ぐらい前から使われていたらしい。日本では大正時代から製造が始まり、かなり高価だった。関東大震災後は職を失った人による支那そば屋台が急増し、ムチャなことに洗濯ソーダをカン水代わりに使った自家製麺も盛んだった。これは第二次大戦後も同じ。小麦の統制が解除されるとラーメン店や屋台が激増。カン水業者も一気に増える。しかし一部では苛性ソーダや珪酸ソーダという劇薬まがいのものまでカン水代わりに使われた。いくらなんでもこれはヒドい。カン水の原料指定の行政指導に続いて、やっと昭和32年(売春防止法の前年)厚生省による検査制度が実施された。だから、ちょうど定年でゆっくりし始めたおじさん年代の中には、大人になったとたんに赤線が消えちゃったなんて落胆の記憶とともに、ラーメン食って胃がタダれたなんて恐怖体験があるかも。今は安心してラーメンが食べれます。 参考ページ ・麺のひみつ http://www.seimen.co.jp/wonderland/himitsu/men/kansui.html ・Wikipedia http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%82%93%E6%B0%B4 ・さすらいラーメン知識 http://ikebawakarusa.air-nifty.com/study/2006/01/post_89ac.html