|
カテゴリ:つぶやき
結局、どこに行っても白状しちゃうんですけど、
昔、少女漫画を描いていました。 とはいえ、もちろんアマチュアです。 最初はもう自由気まま勝手気まま。 そのうち、だんだんプロやうまい人が気になりだし、 どうしたらあんなに上手に描けるのか、研究しだします。 だって、悔しいじゃないですか、 材料は同じ紙とペンなのに、天と地ほども違う作品。 少しずつ、彼らが手を抜いていないことに気づきます。 描きなぐりに等しい私の絵と、木の葉一枚すら資料を見て描く彼ら。 さりげなく背景に季節の花や事物を入れて、四季を表現している彼ら。 同じであっちゃぁ、お天道様がゆるしません(笑) それから、資料として、植物図鑑をそろえたり、町の様子を写真に撮りに行ったりしだしました。 そうすると、すごいことを発見するんですよ。 緑一色に見えていた山が、実は一本一本違う種類の木で出来上がっているとか。 かえでに桜に松に杉。一種類、一種類ぜんぜん違う形の葉、枝ぶり。その上、一本一本、違う個性がある美しさ。 全く違うそれらが、見事に調和して、一つの山になっています。 雑然としていないのが不思議です。 それどころか、山として美しく見えています。 それだけの事実があるのに、今までただの山にしか見えなかったのです。 漫画の背景で山を描くとしましょう。 そこまで考えて描けるでしょうか。 そこまで手を抜かないで絵を描けるでしょうか。 いえ、自分が神さまで、世界を創造しようと思って、 そこまで手を抜かないで創れるでしょうか。 そう、全く手抜きのない芸術の中に自分がいることに気づいたのです。 雑草の話を書いたことがありますが、 雑草ですら、同じ形のものはないのです。 当たり前の日常のなかに実はものすごいものが隠されています。 気づくか気づかないかの差のなかにいるのです。 感謝とは、自分がありがたい世界にいる、信じられない芸術の世界にいる と気づいて初めてできるのだなと思ったものです。 ありがたい世界にいる。 娘には、そう感謝できる子になってもらいたいと思っています。 そういう感性を持ってもらいたいと願っています。 それが真実であり、それが幸福だと思うからです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[つぶやき] カテゴリの最新記事
|