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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2007/11/20
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カテゴリ:武術
先日、mammo TVのインタビュー↓を受けた。
http://plaza.rakuten.co.jp/saijotakeo0725/diary/200710290000/


冒頭で「学者になろうと興味をもったきっかけからお話ください」と聞かれて、どこから話したものかと考え込んでしまったが、高校生向けということなので、心理学に興味をもった高校生の時点まで遡って語ることにした。

高校のテニスの話や、浪人時代、大学生の頃などを回想しながら語っていくなかで、自分の経験が今やっている学問と有機的に組織化されていっておもしろかった。構造構成主義は僕の生き方を原理的に凝縮したものなのかもしれない、と思った。

というか理論は現象をもとに作っていくわけだから、当たり前といえば当たり前なのだが。


物語は経験を組織化するのに役立つということと、語りはインタビュアーとインタビュイーが協同で作り上げるものだという物語論の主張をあらためて実感。と同時に“その物語”に沿った出来事を話すようになるため、それに沿わないことは非自覚的に語られないということも実感。




インタビュアーの尹雄大という名前が、どこかでみたことあるなあと思っていたのだけど、あの『FLOW』の著者だと知って、道理で、と腑に落ちた。




『FLOW』は最近読んだ武術系の本では、一番おもしろかった。韓氏意拳は武術の原理論とでもいうべきもので、武術とか興味がない人でも、身体論、時間論、認識論といったいろいろな観点からおもしろく読める。

韓氏意拳がわかりにくい理由を、わかりやすく書くことにより、とらえどころのない韓氏意拳の姿をいわば地を描くことにより影絵のように浮かび上がらせてくれる本。



ということで、その後ユンさんと医学書院の鳥居さんといっとく君の4人の濃縮還元100%のメンツで飲んだ。かなり笑った。


飲みも後半にさしかかったころ、こんな出来事があった。

僕が氷の入った水をついでいたときに急にフタがはずれ、大量の氷水がユンさんに直撃するかと思ったその刹那、ユンさんは瞬時にすべてを避けてほとんど水滴すらかかっていなかった。

おかげで僕は失態を犯さずに済んだのだが、あの動きに感動を覚えてそれどころではなかった。これは今でも鮮明に映像が浮かんでくるほど印象に残った。

あれは「速い」と表現する他ないのだが、みたことがないぐらい素早い対応だった。いや、「対応」というのは違う。対象に対して応じるという感じではなく、“即応”という表現の方が相応しい尋常ならざる“迅さ”だった。

その前にいっとく君の「韓氏意拳って何ですか?」という質問に対して、ユンさんが「緊急時に対応できるよう動けるようになる力を養うこと」(かなり不正確な記憶)といったことをおっしゃっていた。

K1の選手はルール上ではその強さを発揮できるであろうが、いきなり拳銃を突きつけられたときに、即応できるかといえばそうではない。そういう不測の事態に即応できることが、生存を目的とした武術的には最も重要になる。

とそういう話をユンさん&鳥居さんがしてしばらくしてから、上記のようにそれを目の当たりにすることになり、韓氏意拳ってすげえと思った(それを体現できている雲泥斎さんが凄いのだが、少なくともそこに韓氏意拳の凄さの一端を見た気がした)。

現場の最前線では、「考える」なんてことをしていたら、死んでしまう。身体が事態に即応すること。これが決定的に重要になる。

これは頭では分かるが、実際突然そういうことが起こったら、「あっ」と思っている間に、水がこぼれてきたり、コップが割れたりするのを「眺めている」ことになる。


韓氏意拳には理論的には構造構成主義との近似性から興味をもっていたのだが、今回のことで実践的にも俄然興味が湧いてきた。


直観もそうであるように、こういう即応能力はかなり使える能力だと思う。








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Last updated  2009/01/11 12:24:48 PM
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