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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2008/09/05
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カテゴリ:心理学
mixiのニュース欄にこんな記事が載っていた。

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クーポン使えず? マックで暴行
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=597620&media_id=4


マクドナルドの店員を壁に押し付けたとして、京都府警七条署は4日までに、暴行の現行犯で、同府木津川市南加茂台、大津地検事務官横田昂平容疑者(26)を逮捕した。同署は横田容疑者がクーポン券が期限切れで使えなかったため立腹したとみている。 
ーーーーーーーーー

そして案の定,この記事に関する日記は容疑者への批判の嵐。

ふつうは「クーポンごときで切れるなよ」と思うのだろうけど、想像するにこの人は金額の大小で切れたのではないと思う。人間はそれほど単純ではない(以下考察が目的なので事実関係はどうでもよいこととする)。

たとえば650円のマックセット(カツ丼でも牛丼でも何でもよい)を買うとき100円引きのクーポンを使おうと思ってちゃんと財布に入れておいたのに使えなかったときの「損した感」は、100円という金額そのものではなく、「わざわざクーポンを持ち歩いていて他にも食べたいものはあったけどそのクーポンがあるからそこで食べようと思ったのに、その労力がすべて無駄になった」という意味での「損した感」なのではないかな。

しかもクーポンの期限表示などあまりにふつう小さくて目に入らないから、当人からすれば詐欺にあったような気分になるのではないかと思われる。いくら「そこに書いてあります通り」といわれてもどこか腑に落ちない感は残るのが人情だろう(理性でこれは仕方ないな、と思うにしてもだ)。

おそらく主婦がレジで30円引きのシールがあるにもかかわらず、それが引かれていなかったときに怒ってしまうのも、30円をもらいたいということではなく(それも少しはあるだろうけど)、「わざわざ定額のものではなく30円引きのものを選択して買ったにもかかわらず、その労力が無駄にされる」ことに対する怒りなのだと思う。

それを「セコイ」「ケチ」といって切って捨てるのは簡単だけど、それは当人の心的視点を踏まえずに、「外部から」「金額のみ」をみているから言える台詞なのではないかな。

そうした場合、経済学的にはどうかわからないが、心理学的にいえば怒りを覚えるのもいたしかたないと僕は思う。

もちろん、それで切れて暴力を振るうという話は、まったく別次元の話であり、暴力を振るうのも仕方がないと言っているわけでは決してない(似て非なる話は見極める必要がある)。

何が言いたいか。マックの運営、接客のあり方として、そもそも何のためにクーポンを出しているかといえば、「次回もお店にきてお金を落としていってもらうため」なのだろうから、多少(1ヶ月程度?)期限が切れていても、ちゃんとその目的が達成できている以上(来店しているわけだから)、「期限が切れていますが、今回だけは割引させていただきますね」と言って割引してあげた方が、「ああ、なんて親切なんだ。またこようかな」と思ってもらえると思う。

チェーン店である以上、個々人ではそういう判断をするのは難しいだろうから(それはよしとされないだろうから)、マニュアルで「1ヶ月以内なら可とする」としておけばいいだろう。簡単なことだ。

というのも、こうした事件は例外としても、同じ目にあって不快な思いをする人は相当数いるはずであり(僕はマックはめったにいかないからよくわからんが)、マックが売り上げの向上を目的としているなら、こうした人間の心理を踏まえて、そうした柔軟性を内包させたシステムを構築した方が目的にあった方法だと考えるためだ。

余談だが、少し前の海外のニュースで、小さな女の子にクッキーをひとつおまけであげた店員が解雇されたというニュースがあった。たしかそのチェーン店は、そのことがニュースとなり世間から批判が集中すると、上層部が「解雇したのは現場の間違った判断だった。その店長は真面目すぎて誤った判断をしてしまった。申し訳ない」といって、解雇を取り消したという記憶がある。


こうしたことからも人間がいかに目的を見失ってしまう存在かがわかる。


人間の心は単純ではないとわかっているつもりだけども、人間の認識は物事を単純化して捉えようとする癖もあるから、どうしても自分の枠組みから物事をみて是非を判断してしまうので、なかなか難しいものだと自戒を込めて思う今日この頃。
















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Last updated  2008/09/08 11:33:31 AM
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