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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2011/03/18
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カテゴリ:東日本大震災
あの日から一週間が経ちました。

さっきテレビをみていたところ,報道もずいぶん落ち着いてきて全体像もみえてきたように思います。

地震もだいぶ落ち着いてきました。震度6以上の大地震が起きる可能性は低いでしょう。もし起きても震度6弱ぐらいでは大丈夫ということは,この1週間が実証してしまいましたから大丈夫です。

原発もだいぶ落ち着いてきています。枝野長官によれば原発から30km付近では人体に影響のある量の放射能は観測されていないそうです(3月18日12時現在)。それ以上離れているところはずっと安全です。

今怖いのは人災です。不正確な情報によるデマや,それにともなうパニックが一番怖い。だから冷静に落ち着いて対応しましょう。

曖昧で不安を引き起こすような情報は極力流さないように心がけたいところです。

ただ二転三転し続ける原発の状況や東電幹部の対応のまずさによって(これも東電にとっても初めての体験でしょうがないところもあると思います),みんな不安や疲れもありますから「原発の人が本当のことを隠しているのではないか」という疑心暗鬼になる人もいると思います。それもやむをえないことです。

デマは誰が悪いということはないのです。家族を守りたいという気持ちや恐怖心から,誰かが発した情報が伝言ゲームのように膨らんでいって結果として「デマ」となってしまうのです。今回僕も含め,完全に正確な情報だけを流したという人はほとんどいないはずです。

自分に伝えてきた人がデマを流してきたというのは間違いです。

不安があるなか,みんな手探りの中,みんなのために,と思って行動した結果として,あとからみれば間違った情報を流すお手伝いをしてしまった,というものがデマの正体です。

それで人と人が憎しみあったりしても誰も幸せになりません。

今はこの1000年に一度といわれる未曾有の災害に,みんなが協力しあって乗り越えなければいけません。

間違いは僕も含めてみんなしています。僕も今回の災害では,自分の弱さや自分の至らないところを見せつけられたなあと思います。けど仕方ないです。人間ですから。今は自分も含めて他人も許す気持ちが大事です。


疑心暗鬼が払拭できず,どうしてもテレビの会見も信用しきれないというひともいることでしょう。家族を守らなければいけないわけですから。

わりと原発の近くに住んでいて,どうしても不安があるというひとはとにかく「建物の中にいれば大丈夫」と思っていたら大丈夫です。こうすれば大丈夫だという安全ゾーンがあれば落ち着くことができます。

あと今は放射能なんてどうでもよくて,放射能という名前とそれにともなう情報をきっかけとしたストレスの蓄積による「健康被害」の方が実害があります。

今の段階では放射能や震度といった物理的要因もさることながら,不安や心配といった「こころ」のケアが大事です。疲労が積み重なると心も余裕がなくなり,冷静な判断がむずかしくなります。

だから自分の「こころ」を軸に考えてみてください。どうすれば安心できるだろう,どうすれば家族が安心して笑顔で過ごせるだろうと。


だから放射能云々の事実がどうであれ,近ければ不安になってしまうものやむをえませんから,不安や疲労の蓄積によって体調があまりよくない眠れないという人は,安心できるところに移動しましょう。

被災地のど真ん中の人以外は,避難や疎開といったおおげさなものではありません。

みんなの「こころ」が安心できるところで療養する,リフレッシュする,旅行にいって愉しんで帰ってくる,という気持ちで気軽に移動したらよいと思います。そして落ち着いたら「よかったね」といって帰ってくればよいのです。

でも不安になって動いている人も多いと思うので,決してそういう気持ちに飲まれないぞ,という強い気持ちは持つ必要があります。

余談ですが,僕も昨日秋田大学のチャリティ公演から帰ってくる途中羽田に着いてとき泣いている人たちがいました。秋田は東北の中継地点になっているそうなので,どこかの被災地から秋田経由で羽田まできた人たちなのかもしれません。

さぞかし怖い思いをしたのでしょう。でも他の99%のひとはごくふつうでした。地震より飛行機の方がよほど揺れるのに地震の方を怖がるって,僕らっておもしろいななんて思いました。

ですから,自然界も放射能は出しているし,地球はそもそも揺れるもんだという世界観を変えてしまえば,いつもより出てるなとか,いつもより揺れるなというぐらいに受け止められるかもしれません(笑)。



移動しようにもガソリンがないいうひともいるでしょう。しかしこの週末は,混雑する可能性もあります。渋滞などに巻き込まれたらかえって疲れてしまう可能性も高いです。

そうした場合には,家族で家の中で過ごせばよいと思います。そのときは今ケアすべきは「こころ」であり「不安の蓄積」ですから,愉しく過ごすことが大事です。

つい気になってテレビ報道をみたくなるかもしれませんが,地震が起きるときは起きます。そして起きても大丈夫です。(緊急地震速報は心によくないですね。仕方がないけど「強い揺れがきます」っていつも言うの止めて欲しい(笑)。)

今後原発に何かあった時ですらパニックになってあわてて外に飛び出す方がかえって危ないです。基本的には「家でじっとしている」というのがかなり安全な方法なのです。

僕も自戒を込めてなのですが,今は,情報収集や伝達にエネルギーをかけすぎていて(ある程度はしかたないのですが),家族の「こころ」のケアがおろそかになっているなあと思います。

ですからこの週末は,あまりmixiやTwitterもやらないようにしようと思っています。落ち着きをみせてきた今,家族を幸せにすることが一番大事なことです。

ですから,ニュースはときどきネットをチェックするぐらいにして,愉しいビデオをみたり,食料などに余裕があれば親戚が集まって飲み会を開いたりしてもよいと思います。今は緊張状態にありますから,正月だと思って昼間っから飲むというのもゆるめるよい方法かもしれません(僕は今ビールを飲み始めました(笑))。

あと子どもや大事な人を抱きしめてあげましょう。今はぬくもりが大事です。

以上,心理学者としての提言でした。

愉しい週末をお過ごしください^^



(早稲田大学大学院講師 西條剛央)

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その他の大震災関係の記事はこちらを下に下がっていくとあります→ http://p.tl/XcQA





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Last updated  2011/03/24 01:13:52 PM
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