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西條剛央のブログ:構造構成主義

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西條剛央

西條剛央

2011/04/23
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カテゴリ:東日本大震災

甲田烈さんや井上ウィマラさんらにふんばろう東日本の「命の健康部門」を担当していただいています。専門家の観点から、宗教的な弔いや、被災者への関わり方、話の聞き方といったことのリテラシーをわかりやすくまとめていただいています。

これから被災者のメンタルケア、特に身近な人の死をどのように受け止めていくのか、といったことは最重要課題になると思っています。電話相談窓口はあるのですが、専門家が時給3000円以上で何日間か担当して数十万円かけて4人からしかかかってこなかったという話も聞きます。

それはそうです。特に東北の人が辛いからといってそうしたところに電話するとは思えません。そうしたシステムはほとんど機能しないと考えた方がよいです。現地の人の「こころ」を踏まえた支援が必要です。

その点、ふんばろう東日本の中心スタッフとして動いてくださっている中村さんが被災者に出す手紙を集められていて、これはとてもよい方法だと思いました。またMTGでは産業カウンセラー協会員の2万人も活用されたらというご助言もいただきました。それで思いついたのが次の方法です。





まず基本的な手紙の書き方の留意点(安易ながんばって!などはタブーとか)や見本となるいくつかの手紙などを「命の健康部門」で作成してもらいHPからみれるようにします(ダウンロードできるようにする)。

手紙を書く方はそれを参考にしながら手紙を書きます。誰が受け取るかわかりませんが、津波で大切な人を失った人に向けて心を込めて書きます。縁がある人がいるならばその人に直接出すのがよいと思います。

そうじゃない場合には一度ふんばろう東日本で集めて、各避難所の人数などを勘案した上で出せばよいと思います。最初は避難所では家族を全員亡くされた方や、身寄りのない方などに優先的に配ってもらうようにします。

手紙には、こちらからかけ直しますのでよかったらお電話くださいと書いておきます。あるいは切手を貼った返信用封筒や便せんなども入れておきます(押しつけがましくならないように、もしよかったらお時間のあるときにお手紙くださいというように書いておく?要検討)。

少なくとも手紙を何度かやりとりする中で、電話で話す機会も生まれてくると思います。この際にも命の健康部門で提示される予定の「傾聴の留意点」なども踏まえて、相手の話を聞くようにします。

自殺をほのめかしたり、かなり深刻で難しいと思われるケースは、カウンセラー系の専門の協会員にバトンタッチできるようにしておきます。(各種関連協会に所属している方、上層部にこのプランを伝えて、僕とつないでください)。これによって後方支援の専門職も活かせます。

現地は医療チームは廻っています。しかし心や命のケアという部分はほとんど効果をあげていないといってよいでしょう。大きな避難所には相談窓口などあるでしょうが、行く人はほとんどいないはずです。何をどう話せばよいのか、となると思います。

家族や愛する人を亡くした人だけでも何十万人もいます。それを現地入りした限られた数のカウンセラーがカバーすることは不可能です。そのため後方支援を最大限に活かす必要があるのです。

電話は、ソフトバンクやdocomo、auなど各種会社に協力していただき、現地からの電話は無料にするとか、つながりができた人を家族割りに拡張してもらうとか、ボランティアの人に電話代がかからないようにしてもらいます(関係者各位、ぜひこのアイディアを伝えてつなげてください)。



1)被災者の方に手紙を送ります(数十万人が送れば全員に送れる)。2)つながりを持ち電話で話を聞けるようにします(各種携帯会社に無料で話せるよう便宜を図って貰う)。3)難しいケースは専門家にバトンタッチ。これで全国の後方支援を心と命のケアに最大限に活かすことができるはずです。

僕もお悔やみの言葉が添えられた葉書を頂きました。絵は魂だけが通れる階段とのこと。少し救われたような気持ちになりました。鎮魂というのはおそらく死者と生者の両方に必要なのだと思います。 http://t.co/ilZ0cMY



それから政府や自治体は早い段階に大々的な「弔い」をすべきだと思います。多くの今もどこかにいる家族を捜しています。いつまでも心の区切りをつけられないほど辛いこともありません。ご遺体の捜索は続けるべきですが、それとは別に弔いは必要です。皆様、どうかそうした提言をしてください。

辛いことですが、弔い=死亡認定は必要です。赤十字が義援金支払えない最大のボトルネックは、死亡認定がなされていないことにあります。誰に払えばよいかわからない、ということになっている。

お金もなにもないのにどうやって生きて行けばよいのでしょうか。このままでは生き残った人も希望を失い、自殺する方も出てくるでしょう。それが亡くなった方が望んでいることとは思えません。自分の分も生きて欲しいと思っているはずです。それを叶えるのが生かされた僕らの役目ではないでしょうか。





甲田烈さんは東北にフィールドワークをされていた文化人類学者に各地の死生観を聞いて、それを参考にしていけたらというようなことをおっしゃてちました。手紙、傾聴、音楽療法、芸術、宗教、学問的知見といった様々な観点から「被災者の支援」に役立ちそうなものはすべて活用すべきだと思います。

あと家族全員を失ってしまったり、身よりのない高齢者の方もたくさんいらっしゃると思うので、アニマルセラピーもよいと思いますし、将来的には犬などの動物を飼えるように支援することで、孤独死等を防ぐことにもつながると思います。





テレビで自殺の報道はされていないでしょう(連鎖を生みかねないのでしない方がよいという判断がなされている可能性もあります)。

しかし僕もそういう話を耳にしますし、ふつうに考えて愛する家族や友人、家、仕事、故郷のすべてを失った人が絶望して、という可能性があるということは容易に想像できることです。そういう人にもう一度生きてみようと希望をもってもらえるようにすること、それがふんばろうの大きな道しるべです。

陸前高田市は一つしかお寺が残らなかったと聞いています。今こそ宗派を超えて、全国の僧侶が集まって「弔い」を大々的に行っていくべきときではないでしょうか(すでに多くの僧侶が動かれていると思いますが)。政府も国をあげて「弔う」国家的儀式を行うべきです。ご英断を。




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(早稲田大学大学院商学研究科MBA講師 西條剛央 Twitter(saijotakeo))

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・西條剛央×GACKT×川崎麻世鼎談(「今ぼくらに何ができるのか?--みんなの思いをつなげる新たな支援システムの提案」)、Ust→http://www.ustream.tv/recorded/13965863







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Last updated  2011/04/23 11:39:31 AM
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