危ない橋と危ない賭け part3 (2006/04/08)
危ない橋と危ない賭け part1、part2からの続き以前来たときとは違うホテルだった。でも今日は足がない。駅前に越したことはない。それに明日は9時には出なきゃ帰れないから。フロントにあったPCは、親子が使っていて触れなかった。触りたかった。どうなるわけでもないけど、思ってることも今のことも書きたかった。メッセもさすがに気になった。彼はときどき携帯を忘れる。電源が切れることもある。メールを見ないとも限らない。そうなれば、やっぱりタイミングが合わなかったと思うしかないんだけど。シングルルームは狭かった。荷物を置いて、とりあえず部屋の電気をつけられるだけつけた。千歳で買ってきたガイドブックを捲ってみたけど、上の空でそれでもじっとしていられなくて、外に出ることにした。夜が遅い街じゃない。先にご飯を食べて、あとは少し歩いてみよう。この街に来るのは4回目。最初は学生時代に中継地点として通っただけで、街は全然見てない。2,3回目は彼に出会ってから。だから私はこの街を、彼を通してしか知らない。歩いている道がどこに続いているのかも、いまいちわからない。ガイドブックを開くのも観光客然としてしまうのが何となく嫌で、恐らくこっちに行けば、という方へ歩くことにした。見慣れたところが出てきた。あ、前に来たところだ。ここなら少しはわかる。4月のぬるい風。千歳の駐車場の空気とは違う。私が子どものころに春だと思っていた4月の気候がここにはある。ビルが立ち並び、車通りもそこそこあって、土曜の夜のせいか、何人かで出歩いている人ばかりで。電話が鳴った。メールじゃなくて電話だった。彼だった。電話がきた。「…はい」「来てるの!?」「来てるよ」「いや、打ち合わせしてたらメール着てるから…びっくりした…。どこにいるの?」「わかんない…1人で歩くの、初めてだし…とりあえずご飯食べようと思って出てきた」「うん、じゃあ飯食おう。俺もう少ししたら行くから」「仕事中じゃないの?」まだ彼の後ろに喧騒が聞こえる。職場らしき喧騒。「いや、もう終わるから。で、どこ行けばいいの?」「駅からは遠ざかってるんだけど…じゃ、探してよ」「ええー(´Д`)」8時近くになって、あちこちでお店を閉め始めた。電話がきてから20分、30分と経っても彼は来ない。駅に戻ろうにも道がわからなくなってきたので、また商店街に戻る。ぼんやりベンチに座って、行きかう人を眺めたり携帯でネットしようと思っては電話が来るかもと思いとどまったり。でも、近くまできたら電話でもくるかと思っていたけど来ない。やっぱり仕事終わんないのかな。仕方ないか、滅茶苦茶なことしてるもんな、私。Sub:腹減った…本文:いつまで待てばいい?(´Д`)さすがに1時間近く経ったときにメールを送った。すぐにコールバック。「駅まで行って…前行ったほうかって探してみてたんだけど…いないからえ?駅じゃない…わかった、すぐ行く」かなり息の切れた話し振りで…本当に探してたんだ?それでも私のいた商店街はかなり大きい。果たしてそこにいて会えるのか?なんだけど、わかってるんだろうか。来る気配もない…というときにまたメール。画像メールだ。近くにいるみたいだけれど、見覚えのない通り。電話する。「○○の近くにいるから。」「ええー、△△のほうかと思ってそっち行ってた…。」「あ、△△にも行ったんだけどそこから結構歩いてきちゃった。」「じゃ、俺の見当は悪くなかったんだ…今行くから!」ものすごくゼエゼエ言いながら電話が切れた。走ってる?走って私を探してる?人通りが切れそうな通りを見ていた。ネクタイ姿の彼が向こうから走ってきた。すごい笑顔で走ってきた。