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テーマ:今日の出来事(291288)
カテゴリ:ウォッチング
織田作家の家計簿を分析するにおいて、この時代の物価経済を前提として知らなければ実際の感覚が把握できない。
ネットで取り寄せた『物価問題と国民生活』(昭和16年、大阪・朝日新聞社発行、古本500円)と、今日たまたま天牛書店で見つけた『暮らしと物価大阪百話』(平成4年、大阪都市協会発行、古本550円)という強い見方が手元にある。 前者の文献によれば、16年は物の輸出が途絶えたために物価が高騰しているとの観測であり、日米開戦に至る怖ろしい時代を感じさせる。 後者によれば、昭和18年の善哉の価格が10銭に対して、平成2年には600円となっている。6千倍の高騰だが、「夫婦善哉」の舞台となった戦前には気安く善哉を外食できたのだ。 たこやきは昭和2年の2個1銭が平成2年には4個100円だから、5,000倍。 日本酒は15年の1升2.4円が、平成2年には1,870円となっているので780倍。 なお、この16年3月には米の切符制度を実施いている町村が57%に達しており、砂糖の93%(15年10月現在)に次ぐ、統制ぶりである。以下、地下足袋、運動靴、脱脂綿が切符制度の実施率20%を超えている。 この切符制度は、金持ちなどによる買占めなどを防止し、均等に配給して、物価の高騰を抑える趣旨のもので、戦況が厳しく、物資が不足するにつれて年々強化されることになる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年12月31日 22時22分09秒
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