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カテゴリ:酒本
目安箱への両替商の投書をきっかけに、巨漢のこって牛こと、直参旗本の征史郎が動き、尾張藩、そして幕府の反家重派が絡む底深い陰謀を暴く長編時代小説。
その拠点は、お家騒動の渦中の喜多方藩である。灘など上方産の下り酒や関東産の地廻り酒を扱う問屋へ東北産「喜多方誉れ」を売りこもうとする、喜多方藩士へ征史郎は協力する。それは江戸大酒飲み会において、良き酒豪相手として友情が芽生えたからだ。 問屋に、「喜多方誉れ」を利き酒してもらう様子など、架空の物語とはいえ、なかなかの臨場感がある。 「枡を両手で持ったまま口元に近づけ、まずはゆっくりと香りをかいだ。表情は消したままである。次いで、一口含んだ。目を瞑り、飯を噛むように口中で転がしている。それから、ゆっくり飲み干した。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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