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昨日、大阪大学総合博物館「ものづくり上方酒ばなし」企画展の最終日、京阪神を中心に日本酒と洋酒の発展に寄与した大阪工業高校醸造科(阪大工学研究科前身)を浮き彫りにする企画であった。
秋田銘醸の父・花岡正庸、ニッカの竹鶴政孝やサントリーの佐治敬三(阪大理学部卒)などの名があり、洋酒では朝日ビールを含めて広告物の展示が充実していた。 日本酒に関しては、江戸時代の伊丹・池田、灘の下り酒の躍進ぶりが資料をもとに紹介されていた。 レクチャーは中世史が専門の松永和浩助教による「酔狂の室町時代」で、この時代が幕府、宮家、宗教家が酒びたりで、また酒が幕府の財政を支えていたかを文献をもとに明かされ、希薄だった室町時代のイメージが「酔狂」で言い表せることが納得できた。 酒造りの面でも僧坊酒が盛んで、清酒発祥の正暦寺、評価を得た「天野酒」、初のブランド酒「柳酒」など。醸造技術的には三段掛法、諸白、火入れの開始など現代に通じるみるべきものがあった。 この時代、聖職にありながら酒に明け暮れた一休禅師を思い浮かべるが、義持四代将軍自ら禅に傾倒する一方で、大いに飲酒している。ついには、禅宗寺院の禁酒令が出されるに及んでいるから、なんたる酔狂の時代だったかが窺える。 いちばんの酔狂の根本は、ルイス・フロイスやジョアン・ロドリゲスなど外国人も指摘しているように強要酒であったようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年01月21日 20時23分15秒
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