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カテゴリ:織田作之助
NHKの番組PR画面より。いよいよ、24日(土)夜9時から連続4回、全国放送。大阪放送局の、こてこての大阪ドラマに賭ける熱情が伝わってくる。(先般、ディレクターの話を聴く機会もあった。なお、不朽の名作とは、私共夫婦のことではおまへん)
18日(日)には太秦東映撮影所の法善寺セット(NHK用)を暑い中、見学したが、ここにもNHKの力の入れようが反映されている。 情痴小説4の研究』を著した北上次郎によれば、情痴小説の主人公は1)主体性に欠ける 2)優柔不断 3)反省癖 4)自己弁護がうまい 5)何事にも熱中しないだ。名作「夫婦善哉」は、まさに情痴小説であり、この視点から名作を読み、視るのも面白い。 また、「夫婦善哉」は現代(戦前)の道行パロディだと思う。曽根崎の芸妓蝶子と問屋の妻子あるダメなぼんぼん。浄瑠璃「曽根崎心中」のお初と手代の徳兵衛、「心中天網島」の小春と妻子ある若旦那治兵衛、いずれ堂島や曽根崎の遊女と問屋のダメ男との物語だ。心中の場所は露天神だったり網島の大長寺だ。 柳吉は勘当されて、正式の夫婦にはなれぬまま定まらぬ生活に彷徨い、法善寺に安らぐ。悲劇には至らないが、既成の価値観、道徳に逆らって、心中するかのような流離い(道行)人生を送るところに哀感が漂う。文楽が好きで、地の文と会話とを織り交ぜた文体を文楽に学んだオダサクだからこそ、当時の現代版心中物語が著せた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2013年08月20日 23時42分31秒
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