テーマ:旧い旧い洋画(394)
カテゴリ:映画
26日は、兵庫県立美術館の「ムンク展」に行って来ました
* 当初の予定は、 折角、神戸に出るのですから、「ムンク展」だけではなく、 神戸市立博物館で開催されている「浮世絵名品展」にも 行こうと思っていました。 ところが・・・ 最初の目的地、兵庫県立美術館に着いて直ぐに、 この日、この美術館のミュージアムホールにて 「ムンク 愛のレクイエム」という映画を上映するお知らせが 目に留まりました 時間を観ると、丁度、上映20分前 席もまだ空いているとのこと しかし、この映画を観てしまうと、「浮世絵名品展」には 時間的に行けなくなってしまいます。 一瞬悩みましたが・・・ これから鑑賞するムンク絵画の理解の参考に なるかもしれないと、予定を急遽変更して、 この映画を観ることにしました~ 今日は、まず、この映画から * この映画は、1976年の作品で、 ムンクの半生を、 その周りの人たち(家族・友人・恋人など)、 彼の出身地ノルウェーの社会状況などを絡めて、 ドキュメンタリーに近い作りで撮っていました。 とても心理描写に優れた映画だと思いましたが、 上映時間170分もの長い間、ずぅ~っと淡々としていましたので、 私は、所々、睡魔と闘いながら観ておりました * 彼は、ノルウェーで医者の息子として生まれますが、 若い頃に母と姉・弟を結核で、相次いで亡くします。 そして、自身も何度か、病により死にかけたことがあり、 常に「死」と隣り合わせに生きていました。 彼は結局、80歳まで生き、 人生の後半は、落ち着いた時間を過ごした様ですが、 彼の人生の前半を描いていた、この映画は、 彼が常に、心の中に「死の恐怖」・「死への不安」を 抱いていたことを、上手く表現していました。 何かあれば、 母や姉やムンク自身が血を吐いて苦しんでいるシーンを フラッシュバックの様にビシバシ入れてくるのです * また、ムンクが女性を愛しすぎた為に 苦しんでいる姿も、すごく丁寧に撮られていました。 彼は、本当に純粋だったんだと思います そして、心のどこかに一途に「母の面影」を求める気持ちが あったんだろうなと感じました。 それが伝わってくるだけに、 彼が最初に好きになった夫人のしたたかさが 同じ女性として、ちょっと許せない感じがしました * あと、もう一つ感じたことがあります。 それは、彼が“強い”ということです 映画の中でムンクは、 「私は父から、弱い心(精神)をもらった。 母からは、弱い体(肺)をもらった。」 と自分をすごく弱いものとして語っています。 しかし私は、体の方はともかくとして、 心に関しては、彼は、人の何倍もの“強い”部分を 持った方なんだと感じました。 彼は、作品を発表する度に、何度も何度も 人々からけなされ、冷笑され、個展を中止させられます。 でも、それでも負けずに、絵を描き続けました。 これは、並の精神力では出来ないと思います 私だったら、どれだけ好きなことでも、 絶対に辞めちゃうな・・・ * また、現在の北欧は、すごく福祉の発達した国々ですが、 彼が生きた19世紀末は、ひどい格差社会だったことも、 この映画では教えてくれていました。 * 盛り上がりこそ欠ける映画ではありましたが、 若い頃の彼の内面を知る、という点においては、 すばらしい作品だと思いました * さぁ、この映画を観て、いよいよ「ムンク展」鑑賞です。 この件につきましては、また後ほど、UPしま~す お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008/01/27 07:09:58 AM
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