カテゴリ:パパのひとりごと
今日4月1日は、正夫が社会人になってちょうど30年目の記念日である
正夫は、帰りの地下鉄のコンコースで、新社会人らしいスーツが不似合いな男女が談笑しているのを見て思い出した 正夫が就職したのは1980年の高度経済成長真っ盛りの時代 京都に来てから2年、遊んでばかりもいられない、しかしろくに就職準備もしていなかった そこに、下宿のおばさんが、入社案内のパンフレットを持ってやって来た 「お兄ちゃん、就職決まったんか?若いうちは遊ぶのもええけど、いつまでもそんなんでは、あかんえ。ここ、受けて見よし」 おばさんは、よりによって正夫が一番苦手としている人間だらけの会社を勧めた 「ここって…。受かるわけないやん」 まあ、受けるだけ受けて落ちたら、おばさんに義理だけは立つだろう そんな風に思って受けた試験だった 落ちるつもりの試験だったが、一次二次と進んでしまった 面接の日は、おばさんはわざわざ朝ご飯を作って持って来てくれた 決して好きな職種ではなかった …というより、大いに毛嫌いしていた職種であった また、自分に最も似合わない職業だとも感じた それから半年後、4月1日、正夫はその会社に入社した 初日から正夫は、とんでもないところに来てしまったという感想を抱いた まるで、拉致被害者であるかのように… その後、研修期間中に2度も大けがをした その時に、真剣に思った 負けて帰る訳には行かない 何があっても辞めるか。負けてたまるか! 今までさんざん心配かけた両親に、どの面下げて帰れるんだ それから1年、2年と経つうち、正夫はこの仕事は、自分がやり遂げるのだという決意を強くしていった 早いもので、今日で30年である 正夫は、一杯加減の時に「今の若い者は…」ということを言ってしまうし、聞きもする しかし、正夫は思う 今の若い連中も捨てたもんじゃない その中にやりがいを見つけたら、休みがなくとも、給料が少なくとも最後までやるじゃないか 少なくとも、自分はそういう若い連中に囲まれて仕事が出来るのだ 今日も日が暮れてから、大きな動きが起こった 大丈夫だ こうしたメンバーがそろっている限り、絶対にクライアントを裏切ることはない あれほど嫌いだったこの仕事 今は、天職だと感じている正夫であった お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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