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2010年07月25日
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カテゴリ:平和に対する思い
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「生かされて。」

イマキュレー・イリバギザ著
PHP文庫 税別781円


こんなにも残酷で残虐なドキュメンタリーでありながら、愛と信仰心に満ちた本は今まであっただろうか?

この本は、1990年代に、アフリカ大陸のルワンダで起こった民族間対立=内戦、虐殺を描いた本です

著者は、家族のほとんどを虐殺で亡くしました
そして自分に迫りくる殺戮の魔の手から間一髪で逃れます

間一髪と言うより奇跡、あるいは神の加護としか言いようのない真実

この物語は、現代版の神話であり、聖書であると感じます

残虐な話であるのにも関わらず、著者は相手方や政府を非難したり攻撃したりしません
それどころか、自分を捜し出してなぶり殺しにしようとしていた相手と、終戦後再会したとき、戦犯として捕らわれ立場が逆転した相手の手を握り、「私はあなたを赦します」と言い、相手が赦されるように神に祈るのです

このルワンダ、ツチ族の著者は非常に聡明な女性でその後国連職員となり、現在はアメリカで暮らしておられるそうです

僕は今まで、外国の戦争について学んだことはありませんでしたが、この話は、つい昨日まで近所づきあいして親しくしていた者同士が、民族が違うと言うことで憎み合い、殺し合い、一方の部族が絶滅させることこそ正義だとして、政府を挙げて内戦を推し進めます

戦争が終わったときに残ったものは、平和などとはほど遠い廃墟と死体の山でした

戦争の最中、または終戦後著者に訪れた出来事は、神のなせる業としか説明のしようのない不思議な出来事と、彼女が体験する超常的な悟りでした

僕がこの本から得たものは、戦争を止めるものは、武力や資本ではなく「愛」しかないということでした

ふらっと入った書店でふらっと手に取ったこの本
僕がこの本に出会ったことも決して偶然ではないのだと思いました

日本で戦争を経験された方、子供を持つ親や、憎しみからどうしても離れられない方、これからのこの国を担う若者たち、その他すべての方に読んで欲しい一冊です





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最終更新日  2010年07月25日 09時44分06秒
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