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カテゴリ:母のひとりごと
私には二人の義理姉がいる。
といっても、離婚した元夫の兄の嫁さんたちだから、今でもそう呼んでいいのかはわからない。でも少なくとも友人である事は確かだ。 「姉」といっても元夫がけっこう年下だったため、彼女らも私よりは年下である。もっとも英語の場合は単にシスターなので、上も下もないわけだ。 ま、便宜上「姉」ということで。 この二人、性格も趣味もまるで正反対である。 義姉Aは、お金持ちの奥様。美人で少年のようなほっそりした体。何事にもイージーゴーイングで、感情の起伏もあまりなく、いつも淡々としている。しかし周囲の思惑を気にしないところもあるので、最初はものすごく冷たい印象を人に与える。 本当は心の温かい人なのだが、まわりからはそうは思われない。 頭が良くて、話もうまくて、スキがない。なかなか魅力的な人ではあるが、彼女を苦手とする人も多い。 義姉Bは、背が高く、小顔でチャーミング、そして首が長く、それに続く胴体が下に行くほどどんどんしっかりしていく。明るく冗談好きで、とてもフレンドリー。ただし喜怒哀楽が激しく、怒らせたくないタイプの一人である。基本的には話しやすくておもしろいが、実はしっかりとカラに閉じこもり、本心をなかなか打ち明けない。人からは好かれるが、深くはつきあえない。少々複雑怪奇。 そんなAとBがあまり仲良しとは言えないのも無理はない。 そして私はどちらとも、取りあえずそこそこ仲良くしている。 何故かと言えば、私はまったくこの二人の中間、もしくは線外に位置しているからだ。 Aは高級指向。インテリアの趣味も良く(お金があるせいでもあるだろうが)、安っぽいものは置かない。 Bはそこらへんでもらってきたカレンダーやポスター、スティッカーをペタペタ貼るタイプ。けっこういい家に住んでいるのに台無しである。 Aは基本的にジャンクフードは買わない。オーガニックなどもそこそこ取り入れ、アイスクリームすらもブランド品。理由はただ単に「おいしいから」。量より質。 Bはインスタント、ジャンクが好き。下らないものを色々買い込んでは、家中のストック置き場に溜め込んでいる。安いから、という理由で何でも買ってしまう。質より量。 Aは子供に寛大だ。一つ間違えると放任かと思える時もあるが、押さえるところは押さえている。時には寛大すぎて、周りから眉をひそめられることもあるが、本人は人目がまったく気にならないタイプ。 Bはものすごく口やかましい。しつけに厳しい、ともいえるが、かなり人目を気にするので、人前では必要以上に厳しい気がする。ミリタリーのようだ。 でも他人の子の扱いは非常にうまく、子供からは慕われる。 私にはA寄りの部分と、B寄りの部分とがあって、Aと話している時の自分とBと話している時の自分には、いくらかの温度差があるのだ。無理に合わせている訳でもなく、ただなんとなくそうなるのだ。 AとBは別に犬猿の仲ではない。ただ「合わない」のだろう。 多分お互いにオーバーラップするところがほとんどないのだ。 でもふと思った。私はけっこういろんな人とオーバーラップする部分がある。 こういうのは優柔不断と言うのだろうか。別にカメレオンのように、相手に色を合わせて自分を変えている訳ではないが、ただ単にそうなのである。 Bは「ものあげ魔」である。あちこちで安いものを見つけては、しこたま買い込んで、お裾分けしてくれる。こちらも何となく、もらってしまう。彼女もとても喜ぶのだ。Aは絶対もらわない。いらないものはもらわないのだ。だから、Bはちょっと傷つく。私はもらうとちょっとうれしい。(どうしてもいらないもの以外は) でも、私はこういう「あげまくり気質」は持ち合わせていない。 Aはマイペースである。彼女のために週2回、4-5時間ずつ仕事をしているが、お昼になったら、さっさと自分の分だけ用意して食べてしまう。私がお腹がすいていたら自分で用意すればいいだけのことだ、と思っている。私が勝手に彼女の冷蔵庫を開けて何かつまんだとしても、何とも思わないだろう。私は慎み深いので(ほんとか?)いつもお腹をすかせて帰る事になる。でもAはそんな事は気にしない。 こういうドライさも私は持ち合わせていない。 たぶん、AとBは一般的に照らし合わせても、「個性的」だと言えると思う。逆に私はごくごく平均的な、ごくごく普通の、特別変わったところのない人間なんだろう。 だからこういう両極端なふたりのどちらともつき合えるのかもしれない。 なんだか、自然に人に迎合して生きていけるなんて、なんかのウィルスみたいでやだな。 でもこういう「何でもオッケー」な自分も一つの個性なのだと思えば、ま、いっか。な? 本日の献立: ベイクド・ハム、マカロニサラダ、野菜サラダ、ディナーロール、スイカ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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