シングル母のアメリカ暮らし

この前の金曜の夜、久しぶりに素敵なレストランに行った。

一緒に行った女性たちのうち友人と呼べるのは一人だが、
独身貴族で高給取りの彼女たち、しょっちゅうこうして
女同士でディナーにでかけおしゃべりを楽しむようだ。
私はたまに参加するだけだが、いい気晴らしにはなる。

その夜はイタリアンのレストランだった。
メニューを開いた私は結構な値段にあやうくため息をもらしそうになる。
たまの事とはいえ、今夜の食事代で何日分の食費が吹っ飛ぶだろうか、
などとつい考えてしまう自分が情けない。
だったら来なきゃいいのに、とも思うが、たまにはこういう楽しみも
あったっていいじゃないかと居直る。

生真面目な日本人の私はこういう店で
かならずアペタイザーとメインを取るものなのかと昔は思っていたが、
少なくともアメリカのこの辺ではオーダーもめちゃくちゃだ。

彼女らは美味しいものは好きだが、
体重を常に気にしているので軽いものしか頼まない。
この夜も、一人はアペタイザーをメインに、一人はサラダとスープ。
私ともう一人はは軽いディナーを一品ずつ頼んだ。
するとお店から、「レディスへ」と言って
小さなサービスがあった。

小さなデミタスカップに入った今夜おすすめのスープがひとくち、
そして２センチ四方にカットされたスイカにドレッシングと
ミントが添えられた『サラダ』が白いお皿にちょこんとのっていた。
こんなオーダーしかしない客は店に取って上客ではないだろうが、
こんな細やかな心遣いはうれしいものだ。


食事とおしゃべりを楽しみ、デザートを分け合って、
家に帰ったが、ふと思いついた。
うちでもフルコースディナーをやってみよう。
たまにはそんな事をしてみるのも面白いし、
せっかく高いお金をはらって食事をしたのだから、
そこで食べた料理を真似して作ってみるのもいいかもね。


で、うちにあるものでやってみた。
まずはテーブルセッティング。
キャンドルと庭のバラを飾る。
息子たちは何が始まるのかといぶかしげだ。


それでは、ビストロ・SAKUZO亭へようこそ。





アペタイザーはチキンレバーパテとミニトースト。
さっぱりとグレープフルーツを添えてみました。
（協力；TJ's)





スープは子供たちの大好きなコーンスープ




サラダは金曜のレストランで、友人が頼んだもの。
いろんな種類のトマトを組み合わせてタルトのように見せる。
ね、かわいいでしょ。
オリーブオイルとバルサミコビネガーで食べる。




パスタはTortelliniをペストソースで和えたもの。
（協力；T J's)





お口直しに、レストランででてきた、スイカのサラダ




本日のメインは
チキンのロースト、ケイパーとオリーブのソース





そして締めくくりのデザートは
バナナクレープとアイスクリーム





私はシェフ兼、お給仕兼、お客なので忙しい。
だから市販品もばんばん利用して（ありがとう、TJ’s）
前もって作っておいたもの等を皿に入れてだすだけ。
味はレストランとは似ても似つかないが、
雰囲気は味わえた。

相手が子供、というのが情けないが、
たまにはこんな目先の変わったごはんの食べ方も楽しい。
ただのお惣菜のコロッケ、パンとサラダだって、
「晩餐会」になっちゃうよ。


子供たちは「次は何？次は何？」と
けっこう喜んでいた。
ちゃんとしたレストランでフルコースを食べた事のない彼らは
「ゲームみたいだね」と楽しんだようだ。
ちなみに一番美味しかったものは
「鶏の皮」とデザートだったそうだ。（がっかり）


そうそう。
今夜の食材をざっと計算したら、
先日私がレストランで支払った額の半分でした。
（しかも１品とデザートシェアのみ）
外食って、楽しいけど、やっぱり高いよね。