シングル母のアメリカ暮らし

基本的に私は平日の朝、子供たちと一緒に食べる事は少ない。
朝はあまり食欲がないのと、忙しい事もあり、
まず、子供たちの食事を用意してから、
食べさせている間に、お弁当の用意をする。
特に外で仕事がある時などはパニック状態で
それどころではないのだ。
週末の朝や長期休みの時はわりと一緒に食べるけど、
そんなわけで平日は二人で食べてもらってる。
とはいえ、我が家のキッチンはとてもせまく、
キッチンの脇の小さなテーブルがダイニングなので、
寂しい感じは与えていないとは思うのだけど、
本当は朝はゆっくりと話しながら、
ご飯も一緒に食べてあげられたらいいのだろう。


理想と現実の大きなギャップ・・・


そのかわり、夕飯はよほどの事がなければ
一緒にテーブルについてご飯を食べる。
普通はそうなのではないかと思うけど。

実は元夫の州都に住んでいる兄のところは
そうではないのだ。
４時頃簡単なものを用意して、
義姉はたいていその時に食べてしまう。
彼女は朝兼昼を朝の遅い時間に食べるので、
変な時間にお腹がすく。
その後子供たちや義兄（自宅勤務）が
お腹がすくとそれぞれ適当に皿に盛って食べる、という感じだ。

最初はビックリした。
彼女の実家はそうではない。普通だ。
元夫の実家だって、皆で一緒に食べる。
でももう彼らの家では習慣でそうなっているから、
子供たちも別に何とも思っていないようだ。



私はいつも、子供たちをほったらかしにしているので、
せめて食事のテーブルはコミュニケーションの場にしたいのだ。
朝はアセっているので「早く食べなさい！」とせかす事も多いが、
夕飯はゆっくり食べてもいいと思っている。


実家でも別に食事の時にお喋りしてはいけない、などと
厳しいしつけは受けて来なかったので、
時々は妹と食べながら笑い転げて母に叱られた事もあった。


今、私がいようといまいと、兄弟で
ひたすら話したりふざけたりしながら食べている。
不思議なものでよその家に行くと
おとなしくちゃんと食べているので、
家にいる時くらいはいいかなと思っている。


以下の会話は今夜の食卓から。


「ママ、このなぞなぞ知っている？」
早口の英語でまくしたてる長男。
「早くてわかんないよ。あ、Mは最近英語だね。
日本語もう忘れちゃった？」
「うーん（と考えてから）、大丈夫。まだしゃべれる」
そうか（笑）。まだしゃべれる、のか。
「・・・・ママ、このなぞなぞは日本語で話せない」しょげる長男。


息子たちが米国歌を歌って盛り上がっていた。
「ママ、日本にも国家はあるの？」
「あたりまえじゃん。あるよ」
「歌える？歌ってみてよ」とリクエストされた。
仕方ないので「君が代」を熱唱した。
急に黙る息子たち。
「It's sad....」
「Yeah, It's sad...」
あのメロディは子供には受けないようだ。


ものすごく美味しいものを食べた時に
喜びをあらわすダンスがある。
モンキーダンスの応用だ。
それなのに、今日次男はすこし涙ぐんだ。
「何？何で泣いてるの」
「ママはM（長男）のダンスにはいっぱい笑って、
ボクのはあまり笑わなかった。」
「笑ったよー。わっはっはっは。」
疲れる奴だ。


「ママ、もうおなかいっぱい」と次男。
「あ、このおじや、ほとんど食べてないじゃん」
「じゃあ、ママが食べさせて。」
あかんぼか、お前は。
「じゃ、オレがやってあげる」と長男。
「Hey, A（次男), here comes the gabege can,
Open the dumpster.」
「Here comes the spaceship, Open the docking bay.」
「Here comes the money, Open the cash register.」
スプーンを口に持っていきながら、
毎回言う事を変え、次男は喜んで口を開けている。
とうとう全部食べてしまった。（笑）


毎晩がこんな感じ、
これがいつもの食卓の風景なのだ。


いつもケンカばかりしている兄弟だけど、
不思議とご飯の時はあまりケンカをしない。
お腹が満たされると心も満たされるのだろうか。
賑やかで騒がしいけど、静まり返った食卓よりいい。
消化にも、お行儀も悪いかもしれないけど、
家にいる時はこれでいいのだ。
ということにしよう。




本日の献立：豚汁の残りで作ったおじや、虹マスのカレー粉まぶし揚げ、ブロッコリーとスナックえんどう、プチトマト