シングル母のアメリカ暮らし

アメリカでパック入りのほうれん草に
O157が見つかったそうで、
店頭からパック入りほうれん草がすべて消えたそうだ。
最近あまり買わなかったけど、
一時期子供達が、ほうれん草のバター炒めを好み、
しかも茎がないせいか、
パック入りのほうれん草を炒めたものが好きだったので
前はよく買っていた。
オソロシイことだ。


でも今回たまたまパック入りのほうれん草から見つかっただけで、
次はパック入りのロメインレタスかもしれないし、
スナック用のベビーキャロットかもしれないし、
今後のことはわからないものだ。
こういう時、すべての収穫を処分しなければならない、
農家の人のことを思うと気持ちが暗くなる。
でもO157は本当に怖いものね。


私はあまり気にしないで何でも食べる方だけど、
私の知り合いにはうるさい人がけっこういる。
例えば、息子達にピアノを教えてくれている友人一家、
毎週金曜日に一緒にごはんを食べているんだけど、
その夕食の７割は私が作っている。
（ま、暗黙の了解で月謝の代わりになる月も）


普段はオーガニックのものしか口にしない彼等も、
私が作る食事は多めに見てくれている。
私も買えればオーガニックのものにするが、
すべてをそれでまかなうのはちょっと懐が痛い。
いつも文句も言わず、おいしいおいしいと食べてくれるので、
こちらもいろいろ献立を考えて楽しんでいるが、
どうしてもレパートリーが限られてしまう。
それは彼等が絶対に口にしない食材があるからだ。


まずは牛肉。
狂牛病をあまり気にしないアメリカ人の中で、
この友人夫婦はきっぱりと牛肉をやめた。
うちももともとあまり牛肉は食べない方だけど、
それでもハンバーグやミートソースなど、
牛肉を使ったレパートリーはけっこうある。
豚や鳥のひき肉では代用出来ないものも結構あるのだ。


それから魚。
特にマグロや鮭など、大きめの魚は決して食べない。
水銀やダイオキシンなどの汚染が心配されるからだ。
うちはもともとサンマや鯖などの小さめの魚が好きなので、
あまり大型の魚は買わないが（高いし）、
それでも寿司にマグロは欠かせないのだ。
でも彼等は比較的安全とされている缶詰のライトツナでも
絶対に食べないので徹底している。


同じ理由で海老や蟹などもあまり食べない。
そして当然と言えば当然だけど、
ハムやソーセージなどの加工食品も
出来るだけ避けているようだ。


そういうわけで、基本的には
鶏肉かターキー、たまに豚肉、
あとは野菜と豆腐などを多用したごはんになる。
彼等は白いごはんは絶対食べないので、
いつも玄米を炊くことになる。
そうするとレパートリーがやはりどうしても限られてくるのだ。


でも週に一度のことなので、
別に苦にもならないけれど、
やはりうちで作って食べる時はあまり気にしないで
その日の食べたいものを献立に出来る。


食べない方がいいものなんて
この世にいくらでもあるのだ。
１か月経ってもカビの生えないパン、
着色料をふんだんに使ったシリアルやお菓子、
鶏肉や卵、豚肉だって安全なものは高い。
ソーダ類や、ジャンクなスナック菓子。
数え上げたらきりがない。


これを食べたら今すぐ具合が悪くなる、と
いうもの以外は、妥協という言葉も必要だろう。
それぞれの家庭の経済条件もあれば
考え方の相違もある。
健康は食事以外にもいろいろな要因がある。
ストレスやお酒、運動不足などだ。


基本的に私の考えは、
同じものを立て続けにそればかり食べないということと。
よほど、見るからにカラダに悪そうなもの以外は
適度に気にせず食べる。
オーガニック、玄米菜食、たいへんけっこう。
でもそれで家計を圧迫し、ストレスを感じるくらいだったら、
やらなくてもいいと思っている。


家庭料理でも出来合いでもインスタントでも、
おいしいなあって思いながらいろいろ食べれば、
なんだってカラダにはそう悪くはないような気がする。



本日の献立：いわしの蒲焼き風（ウナギの好きな長男に大好評）、たぬきうどん、ちくわと野菜のカレー粉炒め、野菜サラダ、かぼちゃの素あげ。