シングル母のアメリカ暮らし

先週末、友人宅でスシディナーを食べた。
彼女の友人と、
最近ちょっと仲良くなった
私のお客さんなどを呼んで、
久しぶりに大人同士の楽しいお食事会をした。


集まったのは日本人の私と、
アメリカ人、ルーマニア人、
イスラエル人など、
人種も言語も背景もさまざまで、
いろんな話が聞けてとても楽しかった。


アメリカ人の熊さんのようなオヂさんが
これまたびっくりするくらい料理の上手な人で
彼が揚げてくれた天ぷらがすごくおいしかった。
お寿司と天ぷらという「いかにも」な取り合わせだけど、
友人が辛口の日本酒を熱燗で用意し、
最近できた日本のベーカリーでケーキも買ってくれ、
最後は私がお抹茶を点てる、という
なかなか和づくしの献立だった。


聞けば最近、イスラエルでも
寿司はブームなのだという。
「寿司もコーシャーになり得る」という屁理屈のもと、
そのイスラエル人もガンガン食べていたけど、
たこやイカはかまわないのでしょうか。（笑）
ま、去年帰国してしまったイスラエル人の友人も
トンカツ食べてたから、ね。


アメリカに来てから、当たり前のように
いろいろな国の人に会う。
東京にだって外国人はたくさんいるけれど、
日常生活ではそうそう接点はなかった。
アメリカでも場所によっては
外国人の少ない地域もたくさんあるだろうけど、
都市部では本当に人種のるつぼなのだ。


次男のクラスはアメリカ人の子が多いけど、
ロシア、ノルウェー、イタリア出身の親などがいる。
長男のクラスに限って言えば、
日本人、台湾人、ロシア人、ドイツ人のほか、
イスラエル、パレスチナ（ガザ）、シリア、レバノンなど
ちょっと考えるとヒヤっとしそうな情勢の国々の出身者が揃っている。
もちろん、みんな仲良しだけど。（笑）


そんな顔ぶれが集まって楽しいのは
何といってもポットラックだ。
もちろん皆がエスニックフードを持ち寄るわけではないけれど、
それでもけっこうバラエティのあるお料理が集まったりして
いろんな味見が出来るのはとても楽しい。


日本にいた時からインド料理は好きだったけど、
日本にいた時はあまり知らなかった、
ドサやイディリなどの南インドの料理を知ったのも
こちらに来てからだ。
ナッツ入りのイディリはインド人の友だちに教えてもらい、
あまりに美味しくて専用の蒸し器まで買ってしまった。


アメリカに来て私がハマったのは
中東や地中海の料理。
ドルマダキアという葡萄の葉で巻いた米料理、
豆のペースト、ハマス。
挽き割り小麦で作るタブーリや、
なすのムサカなども日本にいた時は知らなかった。
ジューイッシュの人が食べる
マッツァボールなども
うちでは定番のおでん種になってしまった。（笑）


日本でやはり知らなかったものに
ペルシャ料理がある。
干したタマリンドを入れて煮込んだ肉料理に
底がパリパリになったごはん。
アフガンレストランで食べた、
甘い人参とかぼちゃのペースト、
そしてカバブを取り合わせたご飯もお気に入り。


こんなだから、私の体重はうなぎ上りに増え続けたのだ。（爆）


ところで、逆に当たり前のように、
餃子や枝豆、照り焼きに白いごはん、
なんていうものを常食にしているアメリカ人もいる。
ある子供は「ママ、今日は寒いからミソスープがほしいわ」
などと言っていたのでたまげたほどだ。
子供達のクラスではスナックに海苔を持ってくる子が多いし、
お弁当にお稲荷さんをつめていた子もいた。（笑）
あるポットラックでは、クラッカーにクリームチーズと
味噌を塗って食べていたお母さん達がいた。


こんなふうに料理の国境がなくなるって
楽しいことじゃないかと思う。
おいしいものは誰が食べたっておいしいのだ。
生の魚を見て、顔をしかめるどころか
「サシミ！！」と言って喜んでいるアメリカ人を見ると、
世の中、変ったんだろうなあ、とふと思う。