シングル母のアメリカ暮らし

子供の頃、日曜日の朝は格別だった。
普段はご飯と味噌汁、納豆などの和風の朝食が、
日曜の朝だけは洋風に変るのだ。
この洋風の朝ごはんがいつも楽しみだった。


朝、ちょっとだけ朝寝坊して、
みんなでのんびりと食卓につき、
日曜の特別朝ごはんを食べる。
とはいっても、だいたいトーストと目玉焼き、
フルーツ、ウィンナーなど献立は決まっていたけれど。
そしてその日だけ、コーヒーを飲ませてもらえた。
インスタントのコーヒーが結構美味しく感じられた。
今はハーブティが好きなのでコーヒーを飲まなくなったけど、
２０代の前半まで毎日３－４杯は飲んでいたのは、
子供の頃の、この朝食のせいか。


うちには日曜の朝ごはんがない。
土曜日のお昼から日曜の教会までの時間は
子供達は父親宅で過ごすからだ。
土曜日はたいてい日本語学校に行っているので
慌ただしさはいつもの平日の朝と変らない。


朝はいつも慌ただしいので、
子供達にはしっかりと食べさせたいけど、
私まで一緒に食卓に着く時間がなかなか取れない。
子供達が食べている間にお弁当を作ったり、
自分が仕事に出かける支度をしたりするからだ。
朝はごはんやお弁当の支度に３０分、
自分の支度に３０分、そしてどうしても
毎朝仕事のメールをチェックしたり返事を書いたり、
という仕事に１時間くらいは費やしてしまう。
もちろん後３０分早く起きて一緒に食べればいいんだろうけど、
たいてい夜中まで仕事をしている私には
朝の３０分の睡眠が貴重だったりする。


月に１度の土曜日、日本語学校がお休みになるので、
そんな朝はゆっくりできるのだ。
今朝がそうだった。
８時頃起きて（いつもは６時だからとても幸せ）
朝ごはんの支度を始め、９時頃みんなでゆっくり食べる。
今朝の献立は、

スヌーピーワッフル（スヌーピーの型のワッフルメーカーで作る）
卵とハム、コーンの炒め物
ハッシュブラウンポテト
フレッシュフルーツ（いちごとパイナップルとキウイ）
飲むヨーグルト

できるだけ身体にいいものを、と思って、
市販のパンケーキミックスだけど
＜オーガニック全粒粉・フラックスシードと砕いた大豆、コーンミール入り＞
というものを買って来たが、はっきりいってあまり美味しいものではない。
パンケーキにすると１枚くらいしか食べない。
なのにこのスヌーピーの顔の形に焼けるワッフルメーカーを使うと、
同じパンケーキミックスを使っているにもかかわらず、
３枚も４枚も食べたりするのだ。
スヌーピー、ありがとう。


子供達は食後の休憩で、
ベッドに寝転がって大好きな漫画を読んでいた。
最近２人とも"TINTIN"にハマっているのだ。
日本では「タンタン」と呼ばれているけれど、
アメリカでは「ティンティン」と呼ばれているようだ。
同じ名前の中国系スーパーがあるのでなんか抵抗があるんだけど。（笑）
とにかく毎回図書館でどっさり借りてくるのだ。
そして部屋を片付け、ハロウィンの飾り付けをし、
先ほど元夫が迎えに来たので
今頃はみんなでパンプキンカービングでもしているのだろう。


夜は教会でハロウィンの催しがあるので
子供達と合流する予定だ。
今年の彼等の衣装はものすごく安上がり。


長男は"NERD GUY"。
つまり「ハイテクオタク」だ。
黒ぶち眼鏡で出っ歯、ニキビだらけのマスク($3.99)をつけ、
髪の毛にジェルをつけてクシで七三にわけ
シャツにペンをさして、私のコンピューターバッグを
肩から斜めがけにしてそこにキャンディを入れてもらう。
長男のユーモアのセンスがけっこうブラックで
実はこれが私のひそかな自慢だ。（笑）


次男は去年おととしと、長男が着ていた
「グリムリッパー」、まあ要するに死神だ。
前にも書いたと思うけど
子供のコスチュームの変遷が
男の子・かわいい系＞ヒーロー系＞恐怖系
女の子・かわいい系＞お姫様・妖精＞恐怖系
そう考えるとお笑い系に走ってしまった長男は
ハロウィン卒業真近ということだろうか。


こんな風に衣装を考えたり、
ハロウィンの飾り付けをしたり、
一緒に遊びに行ったりするのも
あとそう何年も出来ないんだろうなあと思うと
忙しいだの何だの言っていないで
一緒に楽しまなくちゃいけないなあと思う。


これがこんなに幸せな時間だったって
きっとあとから気がつくんだろうから。