お気に入りのお店がなくなる
このお店は無名のアーティストの作品を多く扱っているところだった。精力的に活動している新人や、センスと実力が伴っていながらも認知度が低いバンド。フアンは数えるほどしかいない特殊な分野で一流とされているマニアご用達の変態バンド。いずれにしろ作品数が圧倒的に少ない商品ばかりを扱っていた。お店に置かれている商品はアーティスト自らが持ってきたものもあったようだ。ある海外アーティストは自分の手作りの作品とともに来日し店頭に並べてくれと売り込むとのことだ。事務所に所属しているわけでもなくマネージャーもいない。日本までの旅費も自分持ちだ。そこまでして来日してくるのは彼らなりに訳があるようだ。日本人は熱狂的なファンが多いというのが理由の一つだそうだ。日本のファンの多くが直接買いに来てくれる。ファンの熱意に感動し創作意欲が沸いてくるということのようだ。ところでこのアーティスト朗読している詩の内容「神はお前を許さない、俺達もおまえを許さない」などと永遠に語っている。こんな作品を作るアーティストの創作意欲をかりたてるファンの存在を想像すると普通の人なら背筋が寒くなることだろう。