福田氏の横顔(下)
官房長官辞任後の福田氏は,再び入閣することはなく,小泉・安倍両政権から一定の距離を置いていた。 2006年の総裁選では,マスコミを中心に「麻垣康三」(本サイトでは「三一太福」)の一人として出馬が取り沙汰されたが,最終的には断念。これにより安倍晋三首相の圧勝に終わった。 そして2007年9月12日,安倍首相が退陣表明。自民党の複数の派閥から総裁選出馬を要請された福田氏は,最終的に出馬を決意。昨年はマスコミを避け,出馬の意思を明確にしない戦略(?)を貫いていた福田氏だが,今回は一変して意欲満々な様子が印象的だった。 さて,71歳の福田氏が首相になれば,憲政史上5番目に高齢の首相が誕生することになる。戦後でみてみても,幣原喜重郎元首相の73歳,宮澤喜一元首相の72歳に次いで3番目に高齢なのだが,福田氏と同じ71歳で就任した首相がいた。その人物こそ,福田氏の父・福田赳夫元首相だ。 つまり,福田氏が首相になれば,我が国の憲政史上初の親子の首相が誕生するだけでなく,その親子が同じ年齢で首相に就任することになるのである。これは運命的ともいうべき偶然だ。 病気を理由に退陣する安倍首相の後継が71歳の福田氏になれば,高齢批判も出てくるだろうが,私はその心配はないと思う。なぜなら,父親の福田元首相は退陣後も85歳まで現役の衆院議員として活躍し,90歳で死去。さらに福田元首相の妻,つまり福田氏の母親は,95歳で存命中だ。福田家は長寿の家系なのである。 自民党所属国会議員のみならず,世論からも麻生太郎氏を上回る支持を得ている福田康夫氏。「福田首相」誕生の瞬間は,刻一刻と迫っている。福田氏の横顔(上)福田氏の横顔(中)