発売を心待ちにしていた新刊を読んだ。
宮廷神官物語 十二(12) (角川文庫) [ 榎田 ユウリ ]
物語は、11巻から十数年経っている。
前巻最後に出てきた子どもが誰の子どもかと思っていたのだが、王姉のだった。
まあよく考えれば、それしかないのだが・・・・・
優秀とはいえ若い王には後ろ盾が必要で、それが王妃の父親だ。
彼は権力を得る前とは変わってしまって、宮廷を牛耳ることに余念がない。
鶏冠の大神官の就任についてもなんだかんだと言って、阻止するつもりのようだ。
そんななか、彼の息子が誘拐されて、鶏冠たちは窮地に陥る。
主人公は、王姉の娘、翠嵐。
12歳くらいだが、思慮深く、行動派。
時間は過ぎたが、身分の壁はまだまだ根強く残っていて、彼女の交友を阻んでいる。
1巻だけの物語なので、よくまとまってはいるが、なんとなく物足りない気もする。
そうは言っても、続きが読めて、よかったと思う。
これで完全に終わりなのかと思うと、やっぱり寂しい。