先日、直木賞が発表された。
この作品は、そのノミネート作品だった。
残念ながら、受賞は逃したが。
スモールワールズ [ 一穂 ミチ ]
6つの短編が収録されている。
私が気に入ったのは、「ネオンテトラ」。
子どもができないモデルの女性が、虐待されている中学生男子と出会う。交流は同級生の姪を巻き込んで意外な結末を迎え、彼女は幸せな時間を手に入れる。
毒があると表現される小説ばかりだが、常識とか正しさとかそういう範疇では満たされない苦境にあれば、その解決法もイレギュラーになるのは仕方がないと思う。
もともとBL作家の一穂さんが直木賞にノミネートされてびっくりした。
因みにその前に「ピクニック」という短編が日本推理作家協会賞にノミネートされていたし、書店員さんたちの評価が高い本ではあった。
小説のなかに仕掛けをするのが得意で、仕事の描写はどこまでもリアルなので、ジャンルを問わずに活躍してほしいものだ。