読み終わって、本を始めから、パラパラとめくってみた。
凄い仕掛けだ。
というか、この枠組みのなかで、物語を完成させるのは、偉業としか言いようがない。
ちなみに、この本は電子書籍にはならないとのこと。
世界でいちばん透きとおった物語 (新潮文庫nex(ネックス)) [ 杉井 光 ]
のっけから、核心の話になった。
ミステリー小説である。
大御所ミステリー作家の宮内彰吾が死去し、長男は遺稿を探すために、会ったこともない異母弟にコンタクトを取る。異母弟の燈真は会ったこともない父親の遺稿を探すことになるのだが…
物語の語り手は燈真だが、探偵というか謎解きをしたのは編集者の霧子。
私はこの女性が、宮内彰吾と関係があったんじゃないかと勘繰っていたのだが、そんなことはなかった。
ストーリーは極めてシンプル。
仕掛けが凄いという感想に尽きる。
思いついてやってみようという人がいたということに驚いた。
紙書籍好きなら、読んでみて欲しいと思う。